「はっはっはっ……彼奴らは何時になっても元気よのぅ……分けて欲しいものよ」
ほっほっほっと神王様が笑う。
いや笑い事じゃないっすよ神王様()
「あははー……あの、神王様。私は一体どうすれば……」
「お?おう、そうであったな。娘よ、ちと着いてこい」
「え?あ、はい。るいさんは……」
「ぼくもいく」
今度はひたすら池ノ上を歩く。
ちゃぷちゃぷちゃぷちゃぷ。
ぼくたちが歩く度、池ノ上に咲いている花が揺れた。
すると、レースのような、薄い端切れで囲われた所に辿り着く。
「……ここは、どこですか?」
「まぁこい。見ればわかるさ」
「大丈夫だよみずちゃん。安全だから。ぼくも神王様もついてる」
「そ、うですね」
ファサァとレースが神王様を避けて行く。
ぼくたちもそれに続く。
すると1人、ぽつんと魂がいた。
今にも消えてしまいそうな、なんとも言えない儚い雰囲気を持つ魂が。
「……あの子は?」
「彼奴は、童じゃ。お前と同じように若くして病に倒れてしまった。そなた以外の若者も昔はいたんだがな。ここにいる事が辛かったらしくてな自ら……成仏してしまったのだ」
「……なるほど」
成仏するのは本当はいい事なんだけど、この話を聞いてからじゃそうも思えないよな。
「そこで娘よ、お前に彼奴と仲良くしてやってほしいのよ!」
「……え?」
「……は?」
「なんぞ、2人して疑問とは」
「え、いやいやいやいや、無理でしょ!?私なんかに!?しかもあんな子!!私なんかが近寄ったら消えちゃいそう!」
「いやいや、神王様本気です!?こんな小娘があの子と接せられるわけないじゃないですか!?」
「なんだと!?るいさんそれは聞き捨てなりません!!」
2人で五分くらい時間を無駄にした。