~二話「こさめのこさめ」~
やばっ、1限始まっちゃった、、今日は1限出ようって決めてたのに、、
「おはようございます」
「おはよう、雨宮さん。」
「おはようございますx先生」
こさめは今、保健室登校中。朝が苦手だから。表向きはそうしてる。
でも本当は教室に行くのがつらい。教室にいること自体もきつい。
でも、こさめは人に弱音を話すのが苦手。だから隠す。
「やっぱり、教室行くのだめだった?」
ああ、来た。いつもくるこさめを苦しめる質問の一つ。
この質問を受けると責められてる風に聞こえる。決してそんなことはないとわかってるのに。
「ちょっと、、行きずらくて、、」
「まあそうよね~。2限からでれそう?」「はい」
愛想笑いして答えた。本当の自分の気持ちなんて無視して。
キーンコーンカーンコーン
「いってらっしゃい」「いってきます」
毎度の朝思うけど保健室にはこさめの居場所はない。
ガラガラ
「おはようこさめ!!」
これは桃夜らんくん。生徒会長。3年生。
「おはよう~、こさめちゃん」
この眠そうにしてるのが緑埜すちくん。生徒会副会長。2年生。
「おは~!」
このちょっといかつそうなのが紫雨いるまくん。生徒会副会長。3年生。
「ん、おは」
このけだるげなのが暇なつくん。生徒会会計。こさめと同い年の1年生。
「おはよう!こさめちゃん!」
この元気な子が獅子王みことくん。生徒会書記&会計。2年生。
実はこんなこさめでも生徒会の書記をしてる。
生徒会メンバーはみんな年はばらばらだけど幼馴染。保育園からずっと一緒。
「もう!またみんな1年の教室来てるの~?」
「だってぇ~、こさめに会いたかったんだもん~」
「らんきもっ」「おい!」「右に同じ」「おい!」
「すっちー、起きて!そここさめちゃんの席だよ!」
「ん~?ああ、ごめんごめん、寝ちゃってた」
「すちは授業中いつも寝てるからな~」
「そんなやつが生徒会副会長でいいのかよ(笑)」
「それはそう」
「ふふっ」
みんなと話してるときは本当に楽しい。だけど、クラス中から突き刺さる視線と自分とみんなのうめられない差を
目の当たりにしてとても苦しくなる。だからみんなのことが大好きで大嫌い。
「ほら~!みんな教室戻るよ~(笑)」
「へーい!じゃな!」「ばいば~い!」「後でね!」「じゃあな~!」「ふふっ、後でね~!」
そのあと授業が終わっていつも通りみんなで帰った。
自分の部屋に入り、ベットに横たわる。
こさめはみんなとは違う。それは悪い意味で。
こさめはみんなみたいに普通に学校に来れない。普通に授業を受けられない。リスカをしてしまう。
生徒会の中で一人だけ浮いている。ちゃんとわかってた。だけどみんなといたくてみんなのお荷物としてぶら下がってた。
そしてら案の定「なんであんな奴が」「意味わかんない」「お荷物じゃん」「お前だけ馬鹿よなぁ(笑)」
「お前媚び売ってはいってんだろ?(笑)」と言われたり視線を浴びたりした。
でもきっとみんなにとっては冗談。昔からそうだった。こさめだけなぜか追いつけなかった。
だから、何言われても傷つかない。そんな理想の「こさめ」をでっちあげてきた。
コミュニケーション力で、この方法で、みんなに追いついてきた。
一人になるのがとても怖いから。それがわかってたから。
小学校、中学校の時までは平気だった。
だけど、高校になってそれが爆発したようにストレスという重荷で乗りかかってきた。
「はぁぁ、きっつ」
こさめは人に悩みを話すのが得意じゃない。もはや話せない。だかららんくんたちもこのことは知らない。
「花呪いのこと、どうしよう、、」
たぶんきっとこさめは話せないまま死ぬんだろうな。逆に話さないほうがいいかもしれない。
らんくんたちはこさめ以上に重荷を抱えてる。その重荷を増やしちゃいけない。
それ以上にこれ以上劣りたくない。これ以上普通じゃなくなりたくない。
「課題やろ」
そうして1日が過ぎ去っていった。
コメント
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💉♡ ねぇまってどうしよう しうさん このおはなしほんとに すきすぎて ちぬまるすいさん なんですけど ❔❕ ,