彼女達は無事男たちを巻き、路地裏で待機することにした。
疲れたのだろうメリアは途切れ途切れになりながらも言葉を伝える。
「ありがとう…アニス。」
「…あぁ。」
彼はいつも通りの無頓着な返事だったが、心なしか少し声が嬉しそうな感じだった。
「ね、兄さん達が心配だし…王宮に行かない?」
そう彼女が言うと彼は食い気味にその質問に答えた。
「馬鹿なのか?さっき殺されそうになってたんだぞ?」
そう彼が言った後彼女は彼を見上げ懇願するような顔をした。すると彼は頭に手を当て「はぁ…」とため息をつき仕方なく
「勝手にしろ…」
と了承をした。
王宮
王宮は崩れ去っていた。 砕けた大理石、燃え尽きた燭台、裂けた天幕が風に揺れる。倒れた玉座の傍らには折れた王笏。血に染まった垂れ幕が、静かに滴る影を落としていた。
荒れ果てた庭園では、踏み荒らされた薔薇と沈む獅子像が、月明かりに沈黙している。 魔法を使用した痕跡もあった。
進んでいくと人影が見えた。彼女達はバレないように息を殺して進んでいった。どうやら会場となった場所にはフレーク達はいないようだ。いないことに安堵しながらも彼女達は歩みを止めず地下へと足を運んだ。彼女達は不信感を感じる。階段を降りていくにつれて腐敗臭が強くなっていったからだ。チーズや生ごみが腐ったような匂いだ。鼻をつく匂いに嫌悪感を覚えつつ下に降りていくにつれ不安も増加した。もしも、兄さん達が死んでいたら?そんな妄想を掻き立てながらゆっくりと進んでいった。
地下に降り、匂いがより一層強くなった。吐き気を催すような匂いに彼も顔を顰めている。匂いが強くなっている方向に進んでいくと異常に虫が集っている袋を見つけた。彼女はその袋の中を見た瞬間泣き始め後ろにいたアニスに抱きついた。彼は彼女を慰めながら恐る恐る袋の中を見る。 すると、顔が蒼白化しているのと、顔の凹凸が無くなり表情が薄く見えたためパッと見誰かわからなかったが、よく見るとそれはスターチスだとわかった。彼は泣き喚く彼女を強く抱きしめ返した。
トテトテタタタタ
物陰に怪しい男達がいる事を発見する。耳を澄まして聞いてみると
「殆どの国が壊滅状態か…。アストリアもやられたらしいな。」
「えっ、それは本当か?母国なんだが…」
そんな事を聞いていると
にゃっ
後ろから誰かに抱き抱えられた。
「どーしたの?猫ちゃん〜?可愛い〜」
見知らぬ女にそう言われ俺は暴れ女の腕から逃げ出した。本当に人間共はすぐ可愛いとかなんとか。ほんっと嫌だなもう…
「待ってよ猫ちゃん!」
女の呼びかけにも応じず俺はさっさと屋根に登りその場を後にした。
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