4話
誰かのための努力
病院の先生「青柳さん。お話いいですか?」
☕「あ、はい。」
病院の先生「じゃあこちらの待合室に…」
☕「はい。分かりました。失礼します。」
待合室にて。
病院の先生「東雲さんは今どのような状態か説明できますか?」
☕「はい…。」
☕「俺と彰人は一緒に住んでいて…。ご飯担当は俺でいつも美味しくご飯を食べるのにとある日…1か月前くらいから「ご飯要らない」って言い始めて…。最初はお腹がすいてないだとか体調が悪いと思っていたのですが…流石に2週間ほぼ何も食べてない状態で…。やばいと思って「流石に食べてくれ」と言ったところ…揉めたり喧嘩になったりしました…。」
病院の先生「ご飯を食べなくなったのは何か理由が?」
☕「あ…はい。これが本当なのか分かりませんが…。」
☕「…キャンプに行ったんです。友人と俺と彰人を含めて4人で。その中の1人がはしゃぎすぎて指を切ってしまって…。それを俺ともう1人の友人が心配している所を見て『ずるい』って思ったみたいです。それで…自分も心配されたいからご飯を食べずに体調を崩して心配してもらうつもりだったと聞きました。」
☕「でもっ…おかしいんです。心配してもらう為にここまでになるなんて思ってなかったんですっ…。あんなに美味しく食べてくれた人が泣いたり怒ってまで食べたくないと…こんなに拒否されることなんてなくて…」
病院の先生「…言いにくいのですが…東雲さんは…」
病院の先生「拒食症です。」
☕「…拒食…症?」
病院の先生「拒食症は言葉の通り食事を拒否する症状のことを言います。拒食症は酷ければ酷いほど苦しい思いをしなければいけないと思います。でも拒食症は気持ちの問題なんです。」
☕「気持ちの問題?気持ちとの関係があるんですか、?」
病院の先生「東雲さんの場合「心配をされたい」という理由。前提があっての心の問題です。だから日に日に拒否をしていくのではなくその人の態度や接し方で症状が酷くなるか治っていくか別れます。ですので無理に食べさせるともっと酷くなると思います。」
☕「今の俺に出来ることは…?」
病院の先生「…私はあくまで内科を担当しています。拒食症はさっき言った通り気持ちの病気です。なので精神科で入院する事をおすすめします。青柳さん,東雲さんの判断ですので気持ちが楽な方がいいと思います。私が言えることはこの辺までです。」
病院の先生「それと東雲さんに2つの選択を渡しました。朝昼夜少しでいいから食べるか、点滴を打つか。この2つの選択を託しました。青柳さんと話し合うとの事なので話し合ってあげてください。でも青柳さんは必ず朝昼夜少しでも食べる事を進めてください。じゃなければ食べる癖が付かなくなってしまいます。」
☕「…分かりました。」
病院の先生「それと…今の東雲さんは相当弱っています。東雲さんは今、みんなからの愛情を求めています。認めてくれる重い重い気持ちが必要です。どうか東雲さんが求める「何か」を教えてあげてください。」
☕「彰人のっ…彰人にとっての幸せはなんですか?」
病院の先生「…それを見つけるのがあなたのできることです。どうか彼をこの地獄から救ってあげてください。」
☕「っ!分かりました。ありがとうございましたっ!必ず救ってみせます。」
☕「彰人。」
🥞「…」
☕「ご飯…どうする?」
🥞「いらない」
☕「…一口だけ。食べてみないか?」
🥞「…いやっ」
☕「一口だけ食べてくれたら沢山褒めてやる。それでも食べたくないか?」
🥞「…褒めてくれるの、?」
☕「あぁ。彰人が満足するまで褒めてやる。」
🥞「…食べるのなんでもいいの?」
☕「あぁ。なんでもいいぞ。」
🥞「…味噌汁…一口だけ飲む、」
☕「!」
☕「偉いな!凄いぞ彰人!」
🥞「(とーや…喜んでる、)」
☕「はい、あーん。(スプーンですくって渡す)」
🥞「…(怖いっ…また太るっ…もう心配してくれない、?)」
☕「…彰人、?」
🥞「…ポロポロポロ(泣」
☕「彰人?!どうした?」
🥞「ぐずっ…ひっくッ…んぇっ…ひっくッ…(泣」
☕「大丈夫。大丈夫彰人。泣かないで。食べようとしてくれただけで偉いからな。大丈夫大丈夫。(抱きしめながら背中をさする)」
🥞「んっ…ひっくッ…ひっくッ…(泣」
☕「(もう悲しい思いはさせたくない。)」
落ち着いて
☕「食べるか?」
🥞「…一口だけッ…挑戦する…」
☕「偉いな。無理しなくていいからな。」
☕「はい。あーん。(スプーンですくって渡す)」
🥞「んっ…あ…(少しだけ口を開ける)」
☕「もう少し口開けれるか?」
🥞「…んっ!(少し大きくなる。)」
☕「じゃあ汁入れるぞ。」
ちょろちょろ…
🥞「んっ、…ごくっ…(飲み込む)」
☕「!飲めたな!」
🥞「俺…飲めた、?」
☕「あぁ!飲めたぞ!」
🥞「俺偉い、?」
☕「あぁ!とっても偉いぞ!凄いぞ彰人!」
🥞「(褒められると心がポカポカするな…)」
☕「美味しかったか?」
🥞「…わからない、少しだったから、」
☕「そっか。いつか味がするまで食べれる日が来るといいな。」
🥞「…う…ん。」
☕「少しづつでいいからな。」
🥞「…うん。」
褒められるのも…悪くないかな、
5話へ続く。
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