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交流会の次の対戦相手は、伏黒恵。彼の術式は「十種影法師」、式神を召喚して戦うその技術は非常に高く、奨也はその能力を警戒していた。しかし、伏黒もまた彼の力を侮っていないようだった。
「お前の術式が気になるな。」伏黒は真剣な眼差しを向けながら言った。
奨也は一言、答えることなく、ただハンドスピナーを回しながら心の中で計画を練っていた。相手の式神をどうにかする必要がある。それが鍵だった。
「行くぞ!魔虚羅」伏黒が高らかに叫び、空に巨大な式神が出現した。巨大な力を持つその式神が、伏黒の背後に現れると、瞬時に戦闘態勢に入る。
「それが伏黒の式神、魔虚羅か…。」奨也は冷静にその姿を観察しつつ、すぐに行動を開始した。
伏黒がさらに「黒閃」を繰り出すと、空間が歪み、目に見えない強烈なエネルギーが向かってきた。黒閃の威力は並外れたもので、これを食らうと一撃で致命傷となる。だが、奨也は恐れることなく、その攻撃をかわした。
「黒閃…だが、それは僕の術式には通用しない。」奨也は自信を持って言うと、ハンドスピナーの回転速度をさらに上げた。その瞬間、黒閃が分子に干渉し、完全に気体の状態へと変化し、攻撃が無力化された。
「なっ…!」伏黒は目を見開く。彼の最強の一撃が、まるで無駄に終わったかのように感じられる。その隙をついて奨也は、すかさず反撃の準備に入る。
「次は、こっちだ。」奨也はその言葉を発した瞬間、空中に浮かべていたハンドスピナーをさらに加速させ、周囲の空気を操作していく。伏黒の「十種影法師」の式神たちが動き出す瞬間、奨也はそれらすべてを気体に変えてしまう。
「…何もかも、気体に?」伏黒は驚愕した様子でその光景を見守っていた。
奨也の術式が爆発的に進化していた。それは単なる物質の三態の変化にとどまらず、あらゆる物体を瞬時に変化させることができるようになっていたのだ。
「やっぱり、君はただ者じゃないな。」伏黒は、対戦相手が自分と同じような術式を使っているとは思わなかったようで、完全に息を呑んだ。
「お前の技も強い。だけど、僕にはまだまだ足りないものがある。」奨也は冷静に、伏黒に対して冷ややかな言葉を投げかけると、そのまま戦闘を終わらせるために一気に攻め立てる。
だが、伏黒は決して諦めることなく、魔虚羅を使って再び反撃を試みようとする。しかし、奨也の術式がその動きを完全に封じ込めていた。
「それで、終わりだ。」奨也は一言、呟いてからハンドスピナーを完全に回転させ、空気中の全てを気化させ、伏黒が召喚したすべての式神を無力化させた。その瞬間、伏黒の反応も遅れていたが、戦闘はすでに終わっていた。
その後、奨也はそのまま勝利し、交流会は終了した。東京本校の生徒たちにとって、今回の奨也の戦いは予想外だった。彼の術式は、ただの物質の変化に留まらず、戦況を一瞬で変えるほどの力を持っていることが、明らかになったからだ。
「強かった。」虎杖が少し驚きの表情を浮かべながら言った。
「だが、これだけでは満足できない。」伏黒が悔しそうに呟く。「また次の機会に、必ず勝つ。」
真希は、目を細めて奨也を見ながら、冷ややかに笑った。「面白い。だが、あんたの強さもいつか限界が来る。期待してるよ。」
奨也はその言葉を受け流しながら、今後の戦いに向けて更なる進化を決意していた。