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18 - 決意の朝

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2025年05月14日

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第十八話:決意の朝





陽翔は早起きして、リビングの机で静かにノートを開いていた。


いつもよりずっと静かな朝。

でも、彼の心はざわついていた。


「……俺、変わったよな」


ふと口に出してみると、不意に後ろから真白の腕が伸びてきて、後ろから優しく抱きしめられた。


「いいほうにな」


「うわ、朝から甘やかしモード?」


「だって、今日大事な日だろ?」


「……なんで分かるの」


「顔見たら分かるって」


陽翔は照れくさそうに笑いながら、ノートを閉じて、深呼吸した。


「……今日、先生に推薦の希望出す。

県内の進学校。先輩が行く大学の近く」


「マジで?」


「あんだけ迷ってたけどさ、やっぱり一緒にいたい。

そのために、俺は俺の道を選ぶ」


真白は少し目を丸くして、それから強く抱きしめ直した。


「……よく言った。

俺、そういうお前のこと、世界で一番誇らしい」


「言いすぎ」


「ほんとだって。

その代わり、推薦ダメだったら俺の部屋掃除一ヶ月な」


「え、地味にキツいやつ……!」


ふたりは笑いながら、お互いの額を軽くくっつけた。



──放課後、職員室前


陽翔は、プリントを握りしめて職員室の前に立っていた。


手汗がじんわり。

でも、もう迷いはなかった。


トン、とドアをノックする。


「失礼します。推薦について、ご相談したいことがあって……」



──夜、アパート


「おかえり」


帰ってきた陽翔に、真白はそっと笑って言った。


「行ってきたか?」


「うん、話してきた。

先生はびっくりしてたけど、“いい目をしてた”って言われた」


「それは陽翔史上一番カッコいい報告だわ」


「でしょ?」


陽翔は照れながら、真白に寄りかかるように座った。


「……先輩、俺さ」


「ん?」


「“好き”って、ただ気持ちだけじゃなくてさ。

こうして未来を一緒に選んでいけるのが、すごく幸せだって思った」


真白の手が、陽翔の髪をそっと撫でた。


「お前、ほんとに大人になったな」


「それ、褒めてる?」


「もちろん。俺も、ちゃんと迎える準備する。

お前と、“大人の世界”で並んで歩くために」


「その言い方、なんかちょっとエロい」


「意識して言ってるけど?」


「やっぱりかよ……!」


ふたりの笑い声が、夜の部屋にやさしく響いた。

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