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飴玉
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#Akariiii ~❕
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#AI
みら

10,500
jntって、もしかして俺のこと嫌い?
とか、ずるい聞きかたをするsnくんが好きです
嫌いじゃないってことは?って誘導させられて好きって言わされたら拒否反応するまでの天丼ネタ、またどこかでやって欲しい
今更な性癖開示ですが、わたしは両片思いシチュが一番大好きです
──あ、また。
仁人は上がっていく心拍数を感じていた。勇斗の指が、座卓の下、座布団の横で自分のそれにからみはじめたから。
ちらりとうかがった勇斗の顔は正面を向いていて、その向かいに座った他のメンバーやスタッフ達と真面目に話し込んでいた。フォーメーションがどうだとか、演出がどうだとか。
なのに勇斗の指は、仁人の手の甲の上を、まるで愛撫するかのようにゆっくりと動く。
こちらは、肺を圧迫して、肋骨の内側からなんども跳ねて飛び出してしまいそうな心臓に、困っているというのに。
勇斗は大真面目な顔で、座卓の上に広げられたステージを模した紙を見つめ、もういっぽうの自分に触れているのとおんなじ長い指先を時折そこに滑らせた。
太智はここで、舜太がこうきたとしたら、などと涼しい声で解説しながら。
勇斗には変わった癖がある。普段は疲れを知らない体力オバケの彼は、疲れや眠気が一定ラインを上回ると、甘えるように己に触れてくる、というのがそれだ。珍しく、今日はお酒も入ってるから余計に。
たとえば仁人の、広げすぎだと文句を言われる脚の膝小僧をくすぐったり、シャツの襟のふちをひっぱったり、肩甲骨の出っ張りを指で辿ったり。
それも誰かと話しながら、あるいはグラスを傾けながら、仁人のほうを見るでもなく手持ち無沙汰のなぐさめにしかすぎないといわんばかりに。カメラが回ってるときのように、いたずらっ子の顔でしてくるのではない。本当に無意識でしているのだと思う。
この癖が出るたびに、勇斗のその行動にとまどうばかりだ。今だって、好きに親指でなでまわされている手がひどくくすぐったくて、困る。
手をひきぬいて座卓の上にでもあげてしまえばいいんだ、そう思いつつも、仁人はいつも抵抗できないでいる。困るけど、すこしもいやじゃないから。うつむいて、からだをかたくして勇斗が好き放題に自分をもてあそぶのを甘受している。
グループの単独ツアーコンサート初日のプチ打ち上げ、という名のミーティングがお開きになった頃には、仁人の背はじわりと汗ばんでいた。何事もなかったかのように勇斗の指は離れていって、仁人はようやく、詰めていた息を吐き出す。ずっとうまく出来なかった呼吸を、再開した。
夏のおわりと秋のはじまりのちょうどさかい目。外はもうこの時間になると寒く、あと何週間もしないうちに、羽織るものが必要な時季になる。けれど、さっきさんざん触れられた右手だけは、まだ少し熱を持て余している。
ホテルの和食レストランを出たところで、それぞれ宿泊する部屋に戻るため解散になった。明日の午前には、午後の公演を控えているため今日の反省を踏まえたリハが組まれている。しっかり身体を休めて明日以降に備えるため、他のメンバーやスタッフ達がばらばらと帰路につき始める中、仁人の熱くなった手の甲にまた触れてきたものがあった。
目をやれば、勇斗の指のせなかが、かるく握った自分の手の甲にそっとかすめるところだった。
「……勇斗、」
「俺の部屋、こない?」
耳打ちする声は、甘くて低い。手の甲をなぞられたほんのわずか、だった熱が、あっというまに全身に伝播する。仁人は声も出せず、うつむいたまま首を横にふった。
だって、だって、これ以上このひとの近くにいれば、抑えがきかなくなってしまう。
きっと勇斗は酔ったり眠くなると人肌が恋しくなるタイプで、おんなじグループで、いつも手近にいて、自分よりちょっと背が低いからって、都合がよいから仁人に触れるのだと思う。
──もう遅い、と仁人は泣きそうになる。
大きな手に触れられるたび、自分よりもすこし高い体温を知るたび。なんどもゆさぶられて生まれた感情は日ごとにつのって、もう見ないふりも限界だった。
それでも、もうさわらないでほしいとは言えないし、思えもしない。たとえ慰み程度の接触でも、好きな相手から分け与えられる温度を、惚れた自分から拒めるはずがなくて。
けれど、こんな、かんたんに自分に触れてくれる、自分にとって都合の良い好きなひとの部屋でふたりきりとなれば話はちがう。苦しいばかりの胸の内を、自分の中だけに収めてしまえなくなる。
きっと、好きだと告げても、楽になんかならない。性別でも、仕事上でも、おんなじグループの仲間としても。すべてが邪魔をする。彼を困らせるだけだ。
理性ではわかっているのに、大きくなりすぎた気持ちはもういまにも唇からこぼれ落ちてしまいそうだった。
「勇ちゃーん、仁ちゃーん、乗らんのー?」
遠く、エレベーターまで続く廊下の先で舜太が手を振り声を上げる。メンバーは同じフロアの、それぞれ別の部屋を当てられている。当然同じフロアまでエレベーターで共に乗るものだと思っている太智や、舜太、柔太朗はこちらを見て首を傾げている。
「なんか仁人ちょっと酔っちゃってるみたい。ちょっとトイレ付き添ってくるわ」
いつのまにか握られていた勇斗の手に力がこもる。おどろくほどもっともらしい理由をつけられてしまったら、手を握っていても腕が触れそうなほど引き寄せられても、だれも何も思わないじゃないか。わかったー、と間延びした舜太の声の語尾が、エレベーターの厚い扉に遮られる。
服越しに感じる好きなひとの体温に、仁人はぎゅっと目を閉じた。もっと触れてほしい。これ以上触らないで。相反する気持ちに、からだがふたつに引き裂かれそうだ。
耳もとに唇が寄せられて、ほんのりアルコールをまとった吐息を感じた。
「……来ないの?」
さびしげな声でそんなことを言うなんて、ずるい。勇斗にとってはただの酔い癖のようなひと恋しさなのだろうけれど、こちらはただただ翻弄されるばかりなんて。
ふう、とひとつ大きく息をついた勇斗は、ようやく仁人の手を離した。けして強く握られていたわけではないのに、つかまれていた手はじんじんとうずき、あつすぎて、痛みすらおぼえる。
「……どうしても、だめ?」
離れたばかりの手が、こんどは頬に触れてくる。手、どころじゃない。いま触れられたそこがきっと一段とあつくなっているのが、それの理由は、知られたくないのに。
どうして、断れるはずがあるだろうか。
勇斗に割り当てられた部屋に連れ込まれる頃には、どうやら酔いもだいぶ醒めてきつつあるようで、どこか居心地悪げに視線を左右させていた。
「あー、と……水でも飲む?」
「……お前が飲めよ」
居心地が悪いのは、こっちのほうだ。すぐ向かいの自分の部屋に戻るのは簡単だったけれど、酔いの醒め始めた彼を置いて帰るのは、なんだか気が引けた。これが原因で変に喧嘩みたいになって、気まずくなるのは避けたかった。
「えっと……その、ごめん……?」
謝罪の言葉には、戸惑いが見えた。なんで俺、仁人なんかをお持ち帰りしてるんだろう、と言ったところだろうか。
「何に対して、あやまってんの」
ぜんぶ、そっちが強引にやってきたくせに。自分でもおどろくほど、冷たい声になる。
「……怒った? 変なこと、して」
「……怒るっていうか、ただ、困ってる」
変なことって、自覚あるのかよ。俺にしたくてしているのではなくて、何かの身代わりにしてるって。
そんなの。泣きそうだ。
「……やだ」
「……や、だよな、困るよな、やっぱ」
俺に、さわられるのなんて。
小さくつづけられた言葉に、違和感をおぼえる。
「カメラ回ってるときはさ、冗談っていうか、そういうノリって感じだけど。実はほんきで、ちょっと、触れ合ってたいって思っちゃって、それで」
ああいう時は、なんか仁人、茶化したり拒否したりしないから、だから、ついもうちょっと、あと少しだけってなっちゃって。勇斗が自嘲気味に続ける。
「でも、結果的に、仁人をこんなに困らせてた。ばかだ俺」
「……ちがう」
すっかり掠れた声で、ふるえる指を叱咤して、目の前の手を掴む。びく、と勇斗の肩が跳ねる。が、逃げてくれないのをいいことに、そのまま額をしっかりと筋肉の敷かれた逞しい胸に預けた。
「っ、仁人……?」
「触られて、困ってるんじゃないから」
「え、」
「どこ触られても、……背中くすぐられるみたいにされても、手をしつこく撫でられても、……すこしも嫌じゃないから、困ってる」
もう、遅い。出て行ってしまった。苦しい、限界を超えて、溢れても、すこしも楽にならない。
自分の涙まじりの声を他人事のように聞きながら、胸に押し付けた頭を撫でる手のひらの温もりに、すこし遅れて気がつく。
「じんと、ねえ、それ、それって、……」
上ずった勇斗の声が頭の上から降ってくる。つむじに何かが触れて、じんわりと熱をもつのがこわくて身を捩ると、これまではかすめとるようにしか触れられなかった彼の手がしっかりと身体を抱きしめてくる。
「キス、とか、したら、困るやつ……?」
身動きの満足に取れない体勢のまま、仁人は小さく頷いた。
──そんなの、困るに、決まってる。
だって、そんなことされたら、心臓が止まってしまうかもしれないから。
コメント
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うわあ……これはすごく、仁人の気持ちが痛いほど伝わってくる回だった…… 無意識に触れてくる勇斗の仕草と、それを受け止めながらも「都合のいい相手」でしかないと思い込んでる仁人の心境が、細かい描写でじんわりと沁みてくる🥀 「キスしたら困るやつ?」って最後の問いかけ、ずるすぎるよ……! 困るけど、困るって言いたくない矛盾が愛しいし切ない。続き、読みたいです。