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朝
〇〇 「学校なので午後から合流します」
朝光 「無理しすぎんなよ?」
〇〇 「ありがとうㅎ」
チャイムの音が鳴り響く。
クラスメイトたちがにぎやかに席に戻るなか
〇〇は窓際でノートを閉じた。
友達 「〇〇、午後からまた事務所?」
〇〇 「うん、そうだよㅎ」
友達 「今日は何やるの?」
〇〇 「今日は収録現場に合流するの。間に合えばだけど…」
友達 「大変だね。授業中、寝ててもよさそうなのに」
〇〇 「…寝たら、取り返せないからさㅎ」
昼休みに軽くおにぎりを口に入れ、
早退の手続きを済ませて校門を出る。
制服姿のまま小走りで駅へ向かった。
午後 スタジオ
収録現場では、TREASUREたちが控室でメイク中。
スタッフの声と笑い声が飛び交っている。
ジュンギュ 「〇〇、まだ来てないの?」
ジフン 「今日は学校でしょ。午後から合流って言ってた」
ジェヒョク 「制服姿で来たら、絶対目立つよねㅎ」
そこへ、バタバタと足音。
控室のドアがそっと開いて、息を切らした〇〇が立っていた。
〇〇 「すみません!今来ました!」
ハルト 「なにその格好、めっちゃ“高校生”やんㅎㅎ」
〇〇 「あ、すみません!着替える時間なくて…今すぐ着替えます!」
朝光 「そんな焦らんでええ。おつかれさん」
ジョンファン 「僕もその気持ちわかるよㅎ」
ヨシ 「制服姿、なんか新鮮やな」
〇〇は控室の隅に荷物を置いて、
スウェットに着替えながら心の中でつぶやく。
制服を脱ぐと、マネージャーに戻る気がする
収録後・帰りの車
その日の収録は滞りなく終わり、
メンバーたちは疲れ気味ながらも明るい雰囲気。
車の中で、ハルトが隣に座った〇〇にボソッと話しかける。
ハルト 「…ようやるよな、〇〇って」
〇〇 「え?」
ハルト 「学校行って、仕事して、寝る時間とかあるん?」
〇〇 「んー、 」
〇〇 「まぁ…ありますよㅎ」
ハルト 「もっと頼ってええんやで。無理して倒れたら、どっちもできんようなるから」
〇〇 「…はい」
ハルト 「俺は、怒ってないよㅎ」
ハルト 「ただ〇〇を心配してるだけ」
ハルトさんの声は、低くてあたたかい。
さっきまで制服で走ってた自分に、
「頑張ってるね」って言ってくれたみたいで、
少しだけ涙が出そうになった。
夜・宿舎の部屋
シャワーを浴びて戻ってくると
机にメモが1枚置いてあった。
「今日もお疲れ様。 冷蔵庫にケーキあるで。
倒れたら意味無いよ、〇〇。 by あさひ」
〇〇 「やっぱばれるか、疲れてたの」
静かな夜。
制服のまま駆け抜けた1日だったけど、
TREASUREと過ごすこの場所が
自分の「居場所」だとまた思えた日だった。
♡10