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ティア11歳 家族旅行も遊園地に行くことも、動物園も楽しかったのです。楽しい時間は心の力に守られ、幻聴は出てきません。
ティアは行動の合間に本を読みながらも、幸せでした。おいしいものもたくさん食べました。
児童精神科医の先生は、ティアの本当の精神疾患は幻聴なのに、行動のおかげでそのことに苦しみもせず、楽しそうなティアがかえって心配でした。行動は理性の言葉はなんとか保っていたものの音声言語を本当に損ない、ティアは必要最小限にしか話をしてはくれませんでした。音声言語でも日記でも幻聴についてふれることはありませんでした。それでも幻聴がティアに聞こえているとわかるのはティアが時々耳をふさいでうずくまる姿からでした。ティアが幻聴を行動で紛らわす以上、その内容を先生は知ることができません。先生はただティアに遊戯療法で幻聴によって受けた心の傷を癒やしてあげることしかできませんでした。