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🐇side



ー時は戻り体育祭開始直後ー







🐇「ッ…!?」






開会式が始まると同時に出てきたのは、

学ラン姿のりうちゃん…僕の彼氏。







聞いてないよ…!?







周りがみんなりうちゃんのこと「かっこいい」って言ってる。





そう、僕の彼氏はかっこいい。

自慢の彼氏。








でも、






それを知ってていいのは、僕だけでもいいのに…。








って、あかんあかん!!

なんでそんな女々しいこと考えてんねん、僕!






🐇「…」







…僕は女の子達みたいに、可愛くなれない。







いずれ、りうちゃんの事も取られてしまうのではないかって、とても不安が募る。









…今から、騎馬戦…か。

りうちゃん出るんだよね。





やっぱり、あの学ランのままなんだ。






かっこいい…な。





わ、囲まれてるッ、

応援しようとて、僕は部員と居ない時は基本1人。周りは僕のこと静かなやつだって思ってる。




🐇「りう、ちゃん。がんばれっ…」






これが、僕の精一杯。






こんな小声で応援しても、届くわけが無いのに。




例えるならば、応援席は星空同様。


無数にちりばめられた星の中に“彼女”という僕がいたとしても、


一番星の君は、僕を見つけてくれるかな。







僕のような星では、君みたいな一番星は手が届かないのではないだろうか…。









試合を重ねるにつれて周りの歓声も上がる。

それと同時に、僕の抱いてはいけない不安も上がってしまう。





だから。だめやって。

そんなこと思ったら。






無事に騎馬戦が終わったようだ。





3騎に囲まれても勝っちゃうんだから、

恐るべきりうちゃんやなぁ。






…きょろきょろして、誰か探しているのだろうか。


と思っていると、僕と目が合ってばっと駆け寄ってくる。





むりむりむり、かっこよすぎて話せる気がせん。






ひとまず顔の緩みを隠したく、ぷくっと口を膨らませ、



🐇「…聞いてないよ…学ラン着るなんて…」





という。

自分でも思ってる以上に怒り気味な声が出て驚いた。

かっこいいよ、そう言いたいのに。





さっきまでの不安と混ざって、変なところで天邪鬼になっている。





1人で内心パニックになっていると、

りうちゃんに腕を引かれて校舎裏まで連れてこられた。





はやすぎ、息が整わない…





🐇「はぁっ、はあっ…りうっ、ちゃっ…はやっ…」

🐤「ご、ごめん…

それと、学ランも言えてなくてごめん…」

🐇「いや、こっち見んといて」





と言って顔を隠す。



目の前のりうちゃんがあまりにもかっこよすぎて、絶対顔が赤い。見られたくない一心でセリフを放つ。


直視不可!!!!






🐤「ごめん。お願い、許して…」





といって手を退けられる。

まずい…




🐇「うぁ…///」

🐤「…え?」







あぁ、終わった。

恥ずかしい







これ以上はだめ、そう思って手を振り払おうとすると、あまりの勢いでりうちゃんが体制を崩す。

これはいわゆる“壁ドン”されてる状態。





距離…近…///





🐇「…かっこよすぎて…むり…///」

🐤「え、じゃあ…怒ってるわけじゃ…」




全然、それに関して、怒ってないです。




むしろ、眼福です。








🐤「ねぇ、初兎ちゃん」



と言って、目線を合わせてくれたりうちゃんは、




🐤「この後、がんばるからさ…。

終わったら、なんかご褒美ください…」




と言う。


ご褒美って…何あげよ…。






考えておこう。


りうちゃんが僕のことをちゃんと見つけてくれたから、少し安心した。







のもつかの間。




🐇「…」







いや女の子の数…すご…。



今までのものとはちょっと違う、黒いモヤがかかったような心。





どうしよう…



こんな変な気持ちで、りうちゃんに向ける顔がない。








ぱっとりうちゃんと目が合ったけど、思わず逸らしてしまった。





やっぱり、女の子の方が…

りうちゃんの隣に似合うんじゃ…。





でも、でもッ…。





頭ん中がごちゃごちゃだ。






目が合うと、りうちゃんは絶対にこっちに来てくれる。

それなのに、不安になってる自分も嫌。





隣にいるのは、僕で大丈夫…?




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初コメも大歓迎ですよ…🥺💦

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