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#ファンタジー
『「誤爆」から始まる恋の処方』
箋大学3年の実結には、半年前から片思いしているバイト先の先輩がいた。
名前は和真さん。仕事ができて、誰にでも優しく、少し天然なところがある、カフェのイケメンリーダーなんだ。
実結は毎週、親友の奈央にLINEで和真さんへの恋心を実況中継するのが日課になっていた。
ある土曜日の夜、バイト終わりに和真さんから「今日もお疲れ様!シフト助かったよ、ありがとう」というのが、個人のLINEが届いたのです。実結のテンションは一気に最高潮へ達した。さっそく親友の奈央に報告しようと、トーク画面を開いて猛スピードでフリック入力を始めた。
『聞いて奈央!!和真さんからお疲れ様LINEきた!!死ぬ!!本当に好きすぎて、今なら和真さんのためなら琵琶湖の水を全部飲み干せるレベル。結婚したい。家買いたい』文字を打ち終えた実結は、確認もせず「送信」ボタンを思い切りタップした…。その直後、実結の心臓が一瞬で凍りついた…。
…メッセージを送った相手のアイコンが、親友の奈央ではなく、今まさにメッセージの主役である「和真さん」本人だったから。「……あ、終わった」スマホを取り落としそうになりながら、必死で「送信取り消し」を押そうとした。
…しかし、無情にも画面には「既読」の文字が光った…。
(あ…、本当に終わった…)
和真さんはスマホを見ていた。
実結は頭を抱えてベッドにもぐった。
「琵琶湖の水を飲み干すとか、ただのヤバい奴じゃん!恐怖のストーカー認定されて明日からバイトクビだ……」スマホを握りしめ、遺言を待つような気持ちでいると、1分後に和真さんから返信が来た。
『琵琶湖の水は環境問題になるから残しておいて(笑)でも、そこまで好きになってもらえて嬉しいな。ありがとう。』
と一通のLINEがきていた。
実結は恥ずかしさで爆発しそうになりながら、
『すみません!友達と間違えました!忘れてください!』
とパニック状態で返信した。
(あ〜、もうだめだ…、 バイトもクビ、和真さんには嫌われ、友達からもドン引きされる…)
絶望感で体の力が抜けていく…。
するとスマホが光った_
和真さんから信じられないメッセージが届いた。
『忘れるの無理。だって、俺も実結ちゃんのこと好きだから。……家を買う前に、まずは来週、2人でデートしてくれませんか?』
「ええっ!ちょ、ちょっと。ど、どうゆうこと⁉︎」
そんな気持ちで、落ち着かないまま、夜が過ぎた…
_翌週のデート_
待ち合わせ場所に現れた和真さんは、緊張でガチガチの実結を見て、クスッと笑ってこう言いった。
「実結ちゃん、喉乾いてない? 琵琶湖の水は用意できなかったから、これで勘弁して」
そう言って手渡されたのは、1本のミネラルウォーターでした。実結の恥ずかしい誤爆は、2人の一生のネタになったのでした。
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