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#原因は自分にある。
宇空#🎹,🐈⬛
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#原因は自分にある。
バディ乃杜バディ子
26,254
ライブまで、あと一日。
七人は最高のステージにするため、最後のリハーサルを終えてそれぞれ家へ帰った。
「じゃあ、また明日!」
じゅんが大きく手を振る。
「絶対成功させような!」
「もちろん。」
りょうたも笑顔で答えた。
その笑顔を見て、かなめは少し安心していた。
⸻
夜。
部屋の明かりを消えると、静寂が訪く。
りょうたは布団に入った。
(……寝なきゃ。)
目を閉じる。
けれど、暗くなった部屋にいると、事件のことが頭をよぎる。
「……っ。」
胸が苦しくなる。
呼吸が浅くなる。
(大丈夫……。)
そう言い聞かせても、不安は消えない。
心臓の鼓動だけがどんどん速くなっていく。
息を吸おうとしても、うまく吸えない。
「はぁ……っ、は……。」
苦しくて、涙がこぼれた。
その夜は何とか落ち着いたものの、それから二日間、同じことが続いた。
⸻
ライブ前日。
りょうたは一人、自宅にいた。
「……大丈夫。」
そうつぶやいてみる。
けれど、部屋が暗くなるにつれ、また胸が締めつけられるような感覚が押し寄せてきた。
呼吸が速くなり、手も小さく震え始める。
(苦しい……。)
どうしても一人では落ち着けない。
震える手でスマートフォンを手に取る。
画面に表示された名前は――
かなめ。
発信ボタンを押す。
「もしもし? りょうた?」
かなめの声が聞こえた瞬間、張りつめていた気持ちがあふれそうになる。
でも、声が出ない。
「りょうた? どうした?」
返事ができない。
呼吸だけが乱れていく。
「……りょうた!」
かなめの声が少し大きくなる。
りょうたは必死に息を整えながら、小さく言葉を絞り出した。
「……た…す……け……て…。」
その一言で十分だった。
「待ってて。今すぐ行く。」
電話は切れた。
⸻
十分もしないうちに、インターホンが鳴る。
かなめだった。
玄関を開けると、かなめはすぐにりょうたの様子を見て表情を変えた。
「りょうた、大丈夫?」
かなめは慌てず、落ち着いた声で話しかける。
「ゆっくりでいいよ。僕はここにいる。」
りょうたは何度も呼吸を整えようとするが、すぐには落ち着かない。
かなめは少し離れた場所に座り、穏やかな声で話し続けた。
「焦らなくていい。」
「一人じゃない。」
「ゆっくりで大丈夫。」
その言葉を聞きながら、りょうたは少しずつ呼吸の速さが落ち着いていった。
しばらくして、りょうたは小さくつぶやく。
「……ありがとう。」
かなめは安心したように微笑んだ。
「今日は一人にしない。」
「安心して眠れるまで、ここにいるから。」
その言葉に、りょうたは静かにうなずいた。
部屋の照明は消さず、やわらかな明かりだけを残す。
かなめはソファに腰かけ、本を開きながら、ときどきりょうたの様子を見守った。
りょうたはその安心感に包まれ、少しずつまぶたを閉じていく。
「……おやすみ。」
「おやすみ、りょうた。」
その夜は、事件の記憶に苦しめられることなく、りょうたは久しぶりに穏やかな眠りにつくことができた。
コメント
1件
このエピソード、胸が締め付けられました…。普段は頼りになる存在のりょうたが、事件のフラッシュバックで過呼吸になって「たすけて」って電話するシーン、本当に切なかったです。でもかなめの対応が理想的で、慌てずに「ゆっくりでいいよ」「一人じゃない」って繰り返すところに、彼の優しさと落ち着きがにじみ出ていて、読んでるこちらまで安心できました。闇を怖がる描写も、単なる恐怖症じゃなくて事件が原因だと分かる伏線の効かせ方も自然で好きです。次のライブ本番が心配だけど、この二人ならきっと乗り越えられる…と信じたくなります。