⚠️この物語は主が勝手に創造して作ったフィクションです。登場する人物、ものの名前は全て創造上のものであり、この世界に存在しない物質、法則が出てくることがあります。そこを理解した上で読んでいただけると幸いです。
闇に包まれた、深海の底よりも奥深く。
想像できるだろうか? そこに何が存在し、漂っているのか。 真っ暗な世界。まさに無の世界が広がっている。
が、しかし……
何も無いはずの世界から
ゆっくり…ゆっくり…と何かが動き始めていた。
「マイナス65.3」 「はい」
「風速4.6m/s」 「はい」
次々と、温度計を測りながら
調査用紙に書いていく。
呼吸をする度に、白い息がでる。
完全防寒で顔以外を覆う全身ジャッケットを着ていてもここまで寒いとは…
極寒の地、ここは南極半島に位置する
ある氷河の上である。
世界で最も寒いと言われるこの南極の場所で
私たち人間は一体何をしているのか。
ここに居るのは、約26名
研究者や南極に詳しい専門家達、その他にも、エンジニア、南極センターの社員、調理師、医師など、それぞれの職柄の方たちを総動員すれば67名となる。
私たちは世界の始まりの場所、この南極を
観測するために調査をしに来ていた。
私は 大岡 ミナミ。
冬季の南極観測隊の研究者の1人である。
ここに居る男性の人数は25名。
ということはつまり、女性は私、1人。
私が唯一の女性観測研究者ということになる。
南極について、少しだけ知ってもらおう。
先程、南極を始まりの場所と言ったが
なぜ、始まりの場所と呼ぶのか…。
南極の約97%は氷であり、辺り一面が巨大な
氷河に包まれている。
この氷河はただ冷たいだけではなく、南極の地形や自然について知ることが出来る重要な手がかりなのである。
また、南極には人がいじった形跡もなく、綺麗な自然状態であるから、観測がしやすい。
氷の中には10万年前に存在した空気が入っていることもあり、細かく調査をすれば、過去にどんな気候の変化があったのか、地球の誕生の解明を紐解くことができる。
私たち南極観測隊は、南極の調査をすることで、私たちの住む地球の始まりを解明しているのである。
他にも
数10年前、南極観測隊は
紫外線を私たちから守ってくれるオゾン層が
以前よりも少なく、オゾンホール(紫外線を直接当たる場所)が多くなっていることを、調査から発見した。当時、安価で生活の1部となっていたフロンガス
が原因とされ、地球温暖化を促進してしまうのだという。
新しいものがどんどんと開発されていく中で、
ここ南極からら地球を読み取っていけば、私たちの生活が失われる危機になることさえ有り得るのだ。
始まりの場所を守っていくのも私たちが南極で調査をする目的である。
私たちは南極観測船から、南極までたどり着いた。
氷河の上での調査は2年半ほど。
私たは今日までここ南極で1年間過ごしてきた。
何の事故もなく、順調に観測も進んでいたかのよに
思えた。
ある日のこと。
わたしは、いつものように南極の氷の調査をしている
最中だった。調査に必要な道具を忘れ、基地に戻って観測地に戻ろうとしていた。
その時
大きな機械の鈍った音が近くで、聞こえてきたのだ。
基地とは少し離れていたし、観測場所からも距離が離れていた。私だけが物を取りに行ったので
私以外周りには、誰もいないはずなのに。
すると、遠くから、
氷河の氷と海の間に、大きな物体が浮かんできたのが
見えた。
「なに…あれ?」
私は目を凝らして、浮かんでいる物体を確認する。
一瞬、氷河が崩れて、深い海の氷が突き出したのかとも思った。
が、私が肉眼で確認できるものは
決して、白や透明の氷ではなく、がっちりとした
黒色の何かである。しかも、大きい。
人間1人分の大きさである。
他の観測員を呼ぼうとしたが、その大きな物体のようなものが、他の観測の人達の機械か、もしくは
潜水艦なのではないかとも思い、まだ、判断ができない以上は、無線を使わないことにした。
1人で、見える位置までその物体に近づいた。
物体は、やはり、私が予想した通り、
機械であった。
まるで、大きなタイムカプセルのような。何かを収納するためのものみたいだ。
ここまで、来るとやはり、不気味で
無線を繋いで、基地にいる人と繋いでみることにした。
「すみません、ミナミです。」
「はい、何かあったか。」
「基地から500メートル。南東の方角の、氷河の崖付近で機械と思われるもの発見。」
「大きさは?」
「人間1人分くらいです。」
「俺たちの、観測の機械なんじゃいのか?
それか、深海の調査をしている他の調査団の潜水艦とか」
「そうかもしれないのですが…
カプセルのようなものなんです。」
「カプセル? 中身を確認できるか? 」
「分かりません、それに、海に浮かんでいるんです。中身を確認することもできません。
このままだと、波に乗って流されてしまいます。
救出用ボートよりも、少し大きめの船を出していただけますか?」
「分かった、今すぐに向かう。」
10分後、観測隊の人達が来て、カプセルを
救出することを成功した。
観測の調査長が頭を抱えていた。
「どうして、こんなものが…」
私も知りたい。突如現れた、謎のカプセル。
しかも、極寒の地、南極で。
「分かりません、浮かんできたんです。急に」
「浮かんできた?」
「ええ、ガシャン!って音がして、後ろを振り返ったら、この機械が海に浮かんでいました。」
「今まで、ずっと深海の奥深くに、これが
埋まってたって事か?」
専門家も、集まって、カプセルについて
話し合った。
「確かに、これは水潜艦ではないですね。
本当にカプセルみたい。氷に包まれているし…
長いこと、この深海に潜ってたんじゃ…。」
「怖いこと言うなよー。こんな大きなもの
ずっと海の奥深くに、眠ってたって言うのか?」
「でも、一体なんのために?」
そして、私は、この謎のカプセルから
あるものを発見した。
「あっ……、**かぎあな**があります。」
「鍵穴?」
よく見ると、カプセルの横の方に、鍵穴らしき
形が伺えた。
「鍵がないと開けられないのか?」
「どうしますか? 勝手に開けてもいいものなんでしょうか?」
「政府機関のものだとしたら…勝手に開けると
法に触れてしまいますが、政府のマークなどはありませんし……。でも、安全か分からない以上
無理に開けるのも危険すぎます。」
「ですよね……」
「まぁ、でも一応、このカプセルを覆っていた
氷だけでも調べましょう。何か分かるかもしれない。この氷のできた年代で、カプセルがいつ、南極の奥深くの深海に、放り込まれたのか知ることは出来ると思います。」
「ありがとうございます。調査お願いします。」
氷は、専門家よ人達に任せ、カプセルは
一旦、基地の冷凍保存場所にとどめることとなった。
中身は分からない。何がはいっているのか。
危険な毒物か、宝物か、あるいは……
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