ぼくは青、9さい
ぼくは昔から何をしても怒られて、何をしても失敗してた
そんな自分がいやだった
物忘れはひどいし、おちつきがないーってよく言われて、
もうぼくなんていない方がいいんじゃないか、なんてことも考えた
そんなぼくに何を感じたのかぼくは小児心療内科?ってところに行くことになった
「青くんー!」
そんな優しい声でぼくの名前を呼ばれた
あぁ、ついにぼくは先生とお話するんだ
緊張するな、何もしゃべれなかったらどうしよう
そんなことで頭がぐちゃぐちゃになった
「大丈夫青くん?」
「う、うん!大丈夫です、」
本当は大丈夫なんかじゃないくせに、
「じゃあ行きましょうか」
「はい、」
怖い、怖いよ
「君が青くん?」
優しい声が聞こえた
男の人なんだけど、幼いような声で寄り添ってくれるような、そんな声
「俺は青くんの担当医の赤って言います。よろしくね」
「赤先生、?」
「そう!赤先生!」
この先生、優しくて元気だなぁ
なんだかこっちまで楽しくなるような声
「じゃあさ、今何歳か教えてくれる?」
「えっと、9歳でもうすぐ10歳!」
「じゃあ小学5年生かな?」
「はい!小学5年生です!」
あれ、思ったより聞かれない?
「じゃあ学校で好きな教科とか教えて!」
「…えっと ない、です。
ぼく覚えることが苦手で、勉強してもすぐ忘れちゃって」
「うーん…じゃあ体育とか、図工とかは?」
「ぼく運動もできなくて、すぐ転んじゃうし
何か作ろうとか、何か描こうとしてもみんなにこれなに?って聞かれちゃって」
「学校が、きらいです」
「…いじめられたりとかはしてない、?」
本当はいじめられてる。でも…
「はい、だい、じょぶです。」
「ならよかった、?」
この子、何か隠して…
「…じゃあさじゃあさ!好きなゲームとかは?」
ぼく、ゲームなら得意!
「ぼくゲームは好きで、色んなゲームしてます!」
「そうなんだ!先生もゲーム好きだよ!」
「!やった!先生と好きなの同じ!」
ゲームの話になった途端に明るくなった…
この子やっぱり、
「ねぇ、本当にいじめられてないの?」
え、なんで分かって…
「…」
「大丈夫青くん、お母さんには言わないよ」
「本当、?」
「本当。先生は嘘つかないよ」
「…4年生のドッジボールの時から、いじめられてて」
「ぼくが足ひっぱっちゃったから、ぼくが悪いんです」
「どんなことしちゃったの?」
「みんなのためにーってボールキャッチしようと思ったら落としちゃったり、
パスしてって言われてるの気づかなくて投げて失敗しちゃったり」
「そんなこといっぱいして迷惑だ、なんて言われて…ホロッ」
少し、やっぱ小学生なんだなと安心した自分がいた
こういう子供は精神年齢が高い傾向があって考えすぎてしまう
恐らくこの子はADHD
「話してくれてありがとう、青くん」
「よし!今日はここまでにしよっか」
「…うん、ありがとうございました、赤先生」
「こちらこそ、ありがとう。」
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