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りるら
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𝒩𝑜𝒶 𑁍𓏸𓈒
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シャルル・アント
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汐梨
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ある日、竜馬がカジノでアルバイトをしているのが高校の教員にバレて、生活指導室に呼び出されたことがあった
アメリカンティーンエイジャーは、幼い頃から家の手伝いなどをしながら学校に通う子も少なくはなく、学校側もアルバイトには寛容だ、しかしバイトをしているのがカジノという賭博場なので、竜馬はちょっとした注意を受けるのではと思ったので、キチンと言い訳も用意していた
自分は留学生で、アルバイトしなければ生活していけなく、カジノといっても清掃員で、勤務は10時までだと言おうと思った、 しかし教員に聞かれた内容は意外だった、竜馬はこの街のマフィアの「コンチネンタル・ファミリー」の一員なのかと聞かれたのだ
竜馬は笑って教授に言った、そんな昔の映画みたいな話はないとバカげていると笑った、教授は真面目な竜馬の生活態度には 高評価をしていたので、なるべく早くそのカジノのアルバイトを辞めるようにと忠告をするだけで何もお咎めは無しに終わった
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「本当にバカらしかったよ、最近の学校の先生は映画の見過ぎだと思わない?チャック」
竜馬は美しいナルシソ・カジノホテルの薔薇庭園のベンチに座り、このカジノの支配人チャック・コンチネンタルに話しかけていた
まるでおとぎの城をそのまま再現したかのような石造りの庭園(ただし石の中身は発泡スチロール) に、見事な薔薇が咲き乱れている、この薔薇園はちょっとした観光地にもなっていて、チャックは長いホースで薔薇に水を撒きながら、後ろにいる竜馬の話を聞いていた
ローズガーデンは色とりどりの薔薇が溢れ、あちこちにギリシャの銅像が建てられており、まさに天国の様だった
この薔薇園は支配人のチャックが自らが手入れしており、今のチャックの姿は大きな麦わら帽子を被って、その下のタキシードとは不釣り合いだった、様々な種類の薔薇が水を浴び夕日を受けてキラキラ輝いて揺れている、ここの薔薇はチャックに良く手入れされ、どこよりも美しく咲いている
竜馬はチャックが好きだった、彼は立派なビジネスマンで、ルビーに竜馬が部屋に連れ込まれて危うく襲われそうになったことを謝ってくれたし、今後二度とこういうことが起きないように、私が君を守ると言ってくれたのだ
チャックがホースの水を止めて竜馬の方にやってきた、麦わら帽子のつばで顔が陰になり、その口元しか見えなかったけどチャックの語り口調は穏やかだった
「君にはどうやら本当の事を話しておかないといけないようだね、竜馬、実は教員達は公務員で給料が少ないんだよ・・・ それはわかるかね?」
竜馬はコクンと頷いた
「実際に、このカジノでは毎晩大金が動いている。そんな金を動かすのは公務員ではなく事業家の皆さんなんだ、私達はそんな裕福層の顧客を相手にしている 」
「わかった! 先生達はこのカジノに嫉妬しているんだね!」
竜馬は優秀な生徒のようにチャックに応えた
「その通り! 実際に教員達がこのカジノで遊んでいるのを見たことだないだろう? 彼らの給料では到底ここでは遊べない、自分の判断基準でしか物を考えられないんだよ、そしてその判断基準から外れるものはみんな悪としか見なさないんだ 」
チャックが首元に掛けているタオルで顔を拭う
「私達が日々相手にしているお客様は、教員達より遥かにセレブリティな裕福層なんだよ、一般庶民はそんな人達のことが分からないんだ、ここはキチンとした合法な遊技場だよ、その証拠に君も国が定めた10時までしか労働をしていないはずだ」
「そうだよね!それをまったくマフィアだなんて、どうかしているよ 」
アハハハハハと竜馬は笑った
「マフィアなんか今時いるわけないよ!」
チャックも一緒にワハハハハと笑った
「・・・ちなみに・・・その教員の名前を教えてくれるかい?竜馬」
一瞬チャックの声が冷たく聞こえた気がしたが、竜馬はまったく気にしなかった
「数学のジャック・クランストン教授だよ!一年と二年を教えている生活指導の担当だよ 」
「そうかい・・・ありがとう、さぁ、午前中にイタリアから本場のティラミスが届いたはずだ、沢山注文したから従業員の分もあるよ、働く前に厨房に行って食べさせてもらいなさい」
「わ〜い!ティラミス!」
竜馬がピョンッとベンチから飛び降り、出口からガーデンにいるチャックに手を振った、竜馬はこの落ち着いた物腰の胴元が益々好きになった、チャックも去って行く竜馬に手を振ったが最後まで帽子のつばの陰に隠れて、彼の表情は読めなかった
それから一週間後、ジャック・クランストン教授は 「体調不良のため長期療養」を理由に学校へは来なくなった
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その日の 「シカゴ・ナルシソ、カジノ遊技場」の正面エントラストの光景は、これまで竜馬が見たこともないようなものだった
カメラにリポーター、マスコミのライトバンに、ヘリコプターさえも――あらゆる形の芸能関係の取材陣や、それに準じる者が 「大物女優、「レディ・ルビー・ランドル」のショーの プレミア「柿落し公演」ために集まっていた
チャックはこのショーの動員のために、コンサートホールを改装し、その舞台セットは素晴らしいものになっていた
正面玄関の周りには、悲鳴をあげている、おびただしい数の群衆が集まっていた、レッドカーペットの両側に挟んで、押し寄せているルビーの熱狂的なファンが、歓声をあげ、叫び、騒いでいた
アメリカの女神と今や言われているルビーの姿を一目だけでも見たいと、誰しもが興奮していた、警備員達が慌しく行き来し出した
もうすぐ正面玄関にルビーが到着する、ジャスティンと竜馬も少しだけ仕事を置いて、ルビーの到着をそっと群衆の後ろから見守っていた
「あらためて・・・思うんだけどさ、僕・・・ほら・・・テレビ見ないから知らないんだけど、ルビーさんって・・・すごい人なんだね〜」
バーテンダーの制服のまま、竜馬がジャスティンに言う、つい一緒に持って来てしまっていたグラスを拭く布巾を前でぎゅっと握っている、なんだか知らないけど竜馬も場の興奮に圧倒されていた
「ああ・・・国際的な映画スターだか何だか知らないけどな・・・チャックが俺達に手を出さないようにしてくれたのはありがたいぜ 」
ジャスティンがディーラーの制服で蝶ネクタイを苦しそうに引っ張って言う
「まぁ!あのショタ趣味の淫乱癖さえなかったら良い人なんじゃないか?気前も良いし、俺はもう歳がいってるから、いらないらしい、 助かったぜ」
ハハハとジャスティンが笑った、その時、黒塗りのリムジンが到着し、カメラのフラッシュと共にルビーの綺麗な脚が開いたドアから現れた、その瞬間、群衆の地響きのような歓声が辺りに湧きあがった
そこに立っているルビーは、彼女が全ての活動の拠点だった、ここにやって来ている誰もが見たがっている存在、群衆がルビーを取り囲み、パパラッチは写真を撮ろうと慌てて走り寄り、ファンは熱狂的に彼女の名を叫んでいる
しかし、ルビーはこんな喧騒の中でも超然としており、目もくらむようなカメラのフラッシュを炊かれても、動じずに平然としている
「うわ~~~~~きれ~~~~~」
竜馬がもっとよく見ようと背伸びしている、ルビーに部屋に連れ込まれて襲われた時は、彼女が獰猛な野獣にしか見えなかったが、今夜のルビーはちゃんとした人間で、やっぱり美しかった
ルビーは羽のショールを翻し、そしてよく躓かずに歩けるなと思うほど、ドレスの長い裾をひきずっていた
美しく正面玄関まで続くレッドカーペットを歩き、大騒ぎの群衆の中、ゆっくり腰を振って自分を見せびらかしていた
「すげぇな」
「うん~~すごいねぇ~ルビーさん」
レッドカーペットをしなり、しなりと歩くルビーが、竜馬とジャスティンのいる前に来て、指をピストルの形にして、竜馬とジャスティンに二発「BAN!BAN!」と撃つマネをした
二人は同時に「ウッ!」と胸を押さえて、ふざけて倒れた
ルビーは「ホホホホホッ」と 声を上げて去って行った
コメント
1件
えっと、第164話……まずチャック、絶対マフィアのボスですよね。薔薇園で「教員の名前教えて」って聞いた瞬間から怪しさ全開で、一週間後に教授が長期療養って(笑)。でも竜馬がまだ気づいてないのが逆に切ないというか、この世界観の作り込みが好きです。ルビーの「BAN!BAN!」も、あの襲われた後の軽いノリが逆に彼女のキャラを際立たせてて良いなと思いました。続きが気になりますね。