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親同士が同級生やって、物心つく前から一緒におった。
ロボロとは、赤ちゃんの頃から、ほんまにずっと一緒やった。
幼稚園、小学校、夏休み、冬休み、盆も正月も。
“親友”なんて言葉より、もっと自然で、当たり前の存在やった。
でも――中学に入ってから、少しずつ変わっていった。
最初は何も違和感なかったんやけど、ある日ふと気づいた。
「あれ、最近ロボロ見ぃひんな……?」
聞いたら、先生が言うた。
『ああ、ロボロくん? 体調崩してるみたいで、ちょっとお休みしてるよ』
そんときは心配したけど、「すぐ戻ってくるやろ」と思ってた。
けど、ロボロは戻ってこなかった。何週間も。
⸻
その夜は、たまたま塾の自習が長引いて、帰るのが遅くなった。
ふと、信号の向こうに見えたんや。ロボロの後ろ姿。
街灯の下、少し小柄なシルエット。マッシュの髪型。
間違いない、アイツやった。
「ロボロ!」
思わず駆け寄って、背中を叩いた。
「なぁ、元気しとったん!? ぜんっぜん学校来んから心配してたんやぞ!」
そしたら、ロボロがゆっくり振り返って……
眉をひそめて、オレを見た。
「……え? どなたですか?」
……え?
冗談やと思った。
てか、冗談であってほしかった。
「は? 何言うてんねん……冗談はええって。オレやん、ゾムやん」
でも、ロボロの顔から冗談っぽい色は一切消えへんかった。
本気で、オレのことを“知らん他人”として見とる目ぇやった。
……あのロボロが。
あの、嘘つくの上手だが、ロボロが嘘ついているかどうかは長い付き合いの俺なら分かる、、。
___あ、これ、嘘ついてへんわ…
これは――ほんまに、ほんまに、知らんのやなって、
その時、確信してもうた。
でも、言いたくなかった。
言葉にしてしまったら、それが“現実”になってまう気がして。
オレは、必死に笑顔作って、言うた。
「……あ、ちゃうわ。人違いやったわ、ごめん」
そしたら、ロボロが安心したように笑った。
「せやんなぁ?! びっくりしたわぁ〜! なんか知り合いに似てるんか思て」
その笑顔が、
昔と変わらん“あいつの笑顔”やったから、
余計に、痛かった。
⸻
帰り道、なんも見えへんかった。
涙出とったんかもしれんけど、寒さのせいにした。
もう何も考えたくなかった。
その日からや。
毎晩、夢にロボロが出てくるようになったんは――