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ゾムが学校を2日も休むなんて、初めてやった。
テスト前でも、風邪でも、あいつは絶対来るやつやのに。
3日目の夜、我慢できんようになって電話した。
絶対に何かある…!
⸻
「……なぁゾム、大丈夫か?」
「……あ、シャオロン。……うん、大丈夫」
「絶対ウソやろそれ。お前が“学校休む”なんて、タダ事ちゃうやん。何があった?」
俺が相当と少しの沈黙があった。
…やっぱなんかあったんや、、隠しやがって…!なんて思っていたら、
俺1人じゃどうにもならないような重い回答が返ってくるとは思わなかった。
あの時の俺は少し軽い感じで問いていた。
大人ならならまだしも中学生なりたてのガキがどうにか出来る範囲をとっくに超えていた。
俺の行動一つで人1人の人生めちゃくちゃにしてしまうんやって、、、
バカもバカなりに考えたけど、、まだ社会も碌に知らない子供には重すぎたみたい。
高校生になった今でも、、、
「ロボロに……忘れられてた」
この言葉を聞いた時冗談だと思いた。冗談だと思いたかった、、、!
だが、今のゾムの状況、声色が全ての俺の考えを否定した。
「……え?」
「中学入ってからあんま顔見ぃひんくなってたやろ? この前の夜、塾帰りにロボロ見かけて、声かけたんよ。そしたら――」
「『……どなたですか?』って言われた。
最初は冗談かと思った。でも、あいつ本気やってん。知らん人に向ける目やった。笑って、“人違いでした”って言うしかなかった」
「でも…!ロボロアイツ嘘上手いし…!!!」
そうだロボロはうそが上手いだから…!でもかと言ってゾムも…?もう何もわからん。
本当に辛いのはゾムのはずなのに、、、物心つく前からずっと一緒だったやつに忘れられて、、一番泣き叫びたいのはゾムのはずやのに俺の方が泣きそう……。
「アイツが俺にこんな苦しい気持ちにさせる嘘はつかない。俺もアイツも誰1人として笑顔にならない嘘はつかない…!!」
誰よりもロボロと絡んで誰よりもロボロと仲良くて、誰よりもロボロを思ってるゾムが言うんだ嘘ではない…。
言葉、出ぇへんかった。
ロボロはゾムにとって特別な存在だって、俺は知ってたから。
ふたりの親が仲良くて、小さい頃からずっと一緒やったって。
ゾムがどれだけロボロを大切に思ってるか、何度も聞かされてた。
⸻
「……それ、マジで言うてる?」
「マジ。笑えるやろ。赤ちゃんの頃から一緒におったのに、名前も、顔も、全部忘れられてる」
「……くそっ……全然、
笑えへんよ…、」
俺は世界一無力な男だ… 大切な友達1人すら救えない。
1人も救えへんのに2人なんて………、!
悔しかった。情けなかった。
なんもできひん自分が、歯痒かった。
ゾムに何も言い返せんくて、その夜はただ「また連絡する」ってだけ伝えて、通話を切った。
あのときから、俺は――
ふたりの間に立つってことが、どれだけしんどいかを知ったんや。