テラーノベル
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ゆ59
11,787
さなめ
108
#赫
天国 ♭
4,296
「」せりふ ()こころ
桃 視点 .
時計の針が夜の深まりを告げた頃、カチャリとドアの鍵が開く音がした。
俺はベッドから勢いよく立ち上がり、開かれた扉の先を見つめる。
「らん……ただいま。お掃除、全部終わったよ」
そこに立っていたなっちゃんは、息を少し荒く乱しながら、ひどく美しく、そしておぞましい姿をしていた。
髪の毛は汗と水分で額に張り付き、身に纏った白いシャツは、首元から袖口まで、どろりとした緋色の血飛沫で真っ赤に染まっている。
なっちゃんの手にする冷たい刃物の先からは、まだポタポタと赤い雫が床に落ちていた。
実の親と、その側近たちをすべて手に掛けた男。
普通の人間なら、その姿を見た瞬間に絶叫して逃げ出すか、警察に助けを求めるだろう。
だけど、俺の胸に湧き上がったのは、恐怖なんて言葉ではなかった。
「なっちゃん……っ!」
俺はなっちゃんへと駆け寄り、その返り血で汚れた身体に、自分から思いきり抱きついた。
なっちゃんのシャツに触れた俺のパジャマが、みるみるうちに赤く染まっていく。
なっちゃんから漂う、圧倒的な生の熱量と、濃密な鉄の匂い。
それが、俺を縛るすべての義務や、冷徹な両親からの解放の証のように思えて、たまらなく愛おしくて涙が出そうだった。
「わっ、らん……!?ダメだよ、服が汚れちゃう……っ」
「いいの!汚れてもいい……っ!」
「なっちゃん、ありがとう……俺を守ってくれて、ありがとう……っ」
俺がなっちゃんの背中に腕を回してギュッと強く抱きしめると、なっちゃんは一瞬だけ驚いたように身体を硬直させた。
けれどすぐに、その綺麗な瞳を歓喜と愛欲でドロドロに潤ませて、俺の身体を壊してしまいそうなほどの強さで抱き返してきた。
「あぁ……らん、らん……っ!本当に俺の可愛いお姫様……っ」
「……怖くないの?俺が、お前の親を殺したんだよ……?」
「怖くないよ。俺を人形って呼ぶあんな人たち、親じゃないもん。俺の家族は、なっちゃんだけだもん……っ」
俺がなっちゃんの首筋に顔を埋めながら無自覚に紡いだ言葉に、なっちゃんは喜びで身体を震わせ、俺の淡い髪や頬に何度も何度も、血の付いた唇で熱いキスを落とした。
「うん、そうだね。らんの家族は俺だけ。俺の世界もらんだけ」
「……ねぇ、らん。奴らがお片付けされたこの広い屋敷で、ふたりだけの結婚式を挙げよう」
「結婚式……?」
「うん。らんに、世界で一番綺麗なウェディングドレスを着せてあげる。邪魔者は誰もいない、俺たちだけの楽園で、永遠の誓いを立てるんだ」
なっちゃんが金髪と赤の毛先を揺らしながら、暗闇のなかでゾクッとするほど甘く微笑む。
純白のウェディングドレス。
なっちゃんと、ふたりだけの結婚式。
その言葉の響きがあまりにも優しくて美しくて、俺は胸をときめかせながら、何度も深く頷いていた。
「うん……なっちゃん。俺、なっちゃんのお嫁さんになりたい」
「綺麗なドレス着て、なっちゃんとずっと一緒にいたいな」
俺たちの衣装を汚す赤い血は、まるでふたりの愛を祝福する聖水のように思えた。
こうして、百瀬家の両親という最後の邪魔者を完全に排除した俺たちは、血塗られた屋敷をふたりだけの楽園へと掌握し、永遠の誓いへと向かって一歩を踏み出した。
【け】
episode . 23 end__
だ っ る 。
部 活 あ る ん す け ど ぉぉぉ
外 で た く な い ,
で も 推 し と あ え る ん で , 行 き ま す 。
が ん ば る ぜ ぃ 。
そ れ で は ま た 次 回 .ᐟ.ᐟ
ば い ち ゃ .ᐟ.ᐟ
コメント
5件
うん、好きです😇 結婚式、純白、やべぇこの単語だけでひとつの物語思いついちゃうよぉ 続きが楽しみ過ぎて1日寝ちゃう(((え
🌾しつにゃっ そろそろおわりそうでかなちぃにゃ きょうあいもいぞんもとっても美味 けっこんしき…… どうなるんだろ、 ラストもそろそろきになってくるおとしごろ(? すきですにゃぁぁぁ じかいもたのしみにゃっ.ᐟ.ᐟ
うわ……これはまた強烈な回だったね。桃がなっちゃんの血まみれの姿を見て「ありがとう」って抱きつくシーン、ぞわっとしたし、同時に切なかった。家族じゃないって言い切った瞬間の解放感と、歪だけど確かな愛情が伝わってきて、読みながらドキドキが止まらなかったよ。 「結婚式」って言葉に無邪気に頷く桃と、それを甘く囁くなっちゃん。このふたり、どうなるんだろう……伏線を感じる展開だね。続きがすごく気になる!