テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
山梨からの戦慄の報告を受け、愛知は即座に「全幹部緊急招集」の合図を送った。夜の静寂を切り裂くように、各幹部の端末に「極秘・レベルA」の通知が走る。
長良川沿いに佇む岐阜の私邸。
岐阜は、磨き抜かれた愛刀のメンテナンスを中断し、淡々と上着を羽織った。
「……死ぬまで止まらない兵器、か。美しくないな」
鏡の前でネクタイの結び目を一ミリの狂いもなく整える。彼の瞳には、職務を邪魔する「不浄な存在」への静かな怒りが宿っていた。
「総員、区域の全ルートを封鎖。……一匹たりとも、この地を跨がせるな」
部下への指示を終えると、彼は愛車に乗り込み、アクセルを踏み込んだ。
一方、山奥の深い霧に包まれた廃教会。
長野は、白いコートのフードを深く被り、祭壇に座って携帯端末を弄くっていた。
「……痛くない、か………どんな感じなんだろ」
端末に映し出された山梨の戦闘記録を、眺める。
「壊しても壊しても、止まってくれないなんて……。それ、僕が飽きちゃう前に、全部バラバラにしてもいいってことだよね?」
ふわふわとした足取りで立ち上がると、彼は教会の床に隠された重厚なハッチを開いた。そこには、険しい山々を「墓場」に変えてきた、彼専用の「玩具」たちが眠っている。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
一時間後。
幽玄本部の最深部、再び五人が揃った会議室は、先ほどとは比較にならないほどの冷気に包まれていた。
円卓の中央には、山梨が命懸けで持ち帰った「脳内チップ」のホログラムが浮かんでいる。
「……これが、獅子奮迅の正体だ」
愛知が、重々しく口を開く。
「静岡の解析によれば、このチップは特定の電波を受信すると、前頭葉の機能を停止させ、闘争本能だけを増幅させる。……つまり、彼らにとって構成員は、ただの『使い捨ての部品』だ」
「吐き気がするな」
岐阜が冷たく言い放つ。
「そんな不確定要素を我が庭に持ち込ませるわけにはいかない。首領、我々の防衛ラインは既に構築済みです。いつでも殲滅に移行できる」
「僕も準備完了だ」
長野がクスクスと笑う。
「信州の山の中に、彼らのための『特別な席』をたくさん用意しておいたから。……早く招待してあげよう」
愛知は全員の顔を見渡し、最後に静岡へと視線を送った。
「静岡。このチップを『無効化』、あるいは……『暴走』させることは可能か?」
静岡は長い黒髪を指先で弄びながら、不敵な笑みを浮かべた。
「……ふふ。ネットワークと云う物は一見すれば強固に見えて、とても脆い。崩すのは簡単だ。」
幽玄と玉響、そして異形の軍隊と化した獅子奮迅。
中部地方全域を舞台にした、血塗られたチェスが始まろうとしていた。
やい
マカロン
5,031
パンプキン
515
コメント
1件
お疲れー!今回のエピ、めっちゃ熱かったわ🔥 岐阜の「美しくないな」って一言から始まる職人気質なキャラと、長野の「痛くないか…」って独特の危うさがエグい。静岡の「ネットワークは脆い」も決め台詞すぎてゾクッとした。脳内チップの設定や、幹部それぞれの動き方がバチバチにかっこよくて、次どう動くか気になりすぎる。いぬいさん、この緊張感、最高だわ!