翔太くんと付き合ってひと月が経つ。
会えなくなって13日目。明日は午後からグループ撮影で14日ぶりに会える。
翔太くんは今日はオフらしく、佐久間くんとふっかさんと3人で買い物に行くと今朝連絡が入った。
明後日は2人とも休みなので、明日の撮影終わりに翔太くんがうちに泊まる事になってる。貴重なオフ被りだ。2人で何処か出かけたいな。
翔太 side
最悪すぎる。折角3人で楽しく買い物を済ませたところで・・・
佐久間🩷『ちょっと友達拾うわ』
翔太💙 『ん?だあれ』
佐久間🩷『拾ってからのお楽しみ』
で、今俺の隣には 亮平が座ってる。どうせ明日会うんだ。なんで一日前に会わなきゃなんないんだ。
しかも前でわいわい楽しそうな佐久間とふっかさんを他所にこちら後部座席はお葬式です。
翔太💙 『で、どこ向かってんの?』
辰哉💜 『阿部ちゃんお勧めのイタリアン』
翔太💙 『そっ』
亮平💚 『翔太ピザ食べたいって言ってたでしょ。すごく美味しんだよ』
さりげなく俺の太腿に手を置くあたり・・・あざとい。しかも触り方や手の位置がイヤらしい。
内腿に入るような形で、もう少しのところでモノにあたりそうだ。
佐久間の車は車高が低いので、後部座席の様子が分からない。
それを良い事に亮平がどんどん大胆になっていく・・・すでにその手はモノに到達している。
翔太💙 『お前やめろよ』
亮平💚 『あまり大きな声出すとバレちゃうよ』
翔太💙 『ふざけるなよ』
辰哉💜 『なべ、どうかした?』
亮平💚 『お腹空いて待ちきれないみたい。子供なんだから』
お店について食事を済ませると、車に乗り込む。
翔太💙 『おい次は俺が助手席に座る』
佐久間🩷『あ、翔太運転変わってよ。飯食ったら眠くなった』
翔太💙 『オッケー分かった・・・ってなんで亮平が隣座るんだよ』
亮平💚 『離れがたいじゃん』
翔太💙 『は?』
車を走らせてすぐに後部座席の二人の寝息が聞こえてきた。亮平がカーステレオのボリュームを上げた。
亮平💚 『翔太その後どう?上手くいってる?』
翔太💙 『うんまぁ』
亮平💚 『もう最後までしちゃった?』
翔太💙 『えっ?なんでそんな事聞いてくるんだよ』
亮平💚 『俺は片想いだからさ、羨ましいじゃんそういうの』
確かにそうだな。女の子と付き合ってた頃はそういう事ばっか考えてたな。男って変態だな。
翔太💙 『いや、まだ』
亮平💚 『そう・・・』
翔太💙 『亮平って何、あっちの方じゃないよね』
あれ以来気になっていた事を聞いてみる。
亮平💚 『あっちって?翔太と同じかって事?』
翔太💙 『はぁ?』
亮平💚 『俺が気づかないとでも?相変わらずおバカさん』
運転中の俺のズボン越しにモノに触れイヤらしく触る。
翔太💙 『てめぇ////』
亮平💚 『ちゃんと前向いて安全運転でお願いね』
翔太💙 『んっ////やっやめて////りょ…』
亮平💚 『なる程、彼が夢中になるのも分かるね』
バックミラーで確認すると後部座席の二人は爆睡してる。
亮平💚 『残念、爆睡してる。可愛い翔太見せてあげたいのに・・・
翔太、この後うちに寄って。蓮との事、知られたくないなら』
翔太💙 『ふざけんな…んッあっやっ//』
亮平💚 『一回抜いとく?』
翔太💙 『分かったから、んっ///手…離せよ』
二人と別れて、亮平の家へ行く。怖いとか言ってらんない。蓮に迷惑かけられないし。
亮平💚 『どうぞ、入って適当に座って』
翔太💙 『いや、いいすぐに帰るから話は何?』
亮平💚 『まずは、ごめん翔太悪ふざけばかりして・・つい嫉妬しちゃって。本当にごめんなさい』
いきなり謝られて拍子抜けしてしまった。襲いかかってきた時を想像してどう逃げるか考えていた自分が恥ずかしい。
翔太💙 『あ?どういう事?』
亮平💚 『蓮が好き・・・ずっとずっと前から』
空を見上げると、蓮の大好きな星が夜空に瞬いていて東京に居るのを忘れてしまうくらいに綺麗だ。
携帯を取り出すと蓮に電話をかけた。一か八か。出なかったら・・・
📲 蓮 🖤 『もしもしょっぴーどうした?』
出ちゃった・・・
📲 翔太💙 『俺と別れて。鍵はポストに入れといて』
暗い夜道を歩いていると、街灯のランプが消えては付き消えては付く。今の自分の気持ちを表しているようで、ずっと見ていたくて、近くのベンチに座った。
〝このまま消えちゃいなよ・・・なんでそんなに頑張ってんの?〟
亮平は俺にどれだけ蓮の事が好きなのかを熱弁した。俺も好きだと言ったら好きの時間が違うと言われた。そらそうだ、俺は蓮の事好きだと気づいたのは1ヶ月前なんだから。亮平の好きと俺の好き測れる物差しがあったら測って欲しい。
亮平💚 『お願い翔太、蓮と別れて』
怖かった。亮平が告白したら、俺は捨てられる。亮平に勝てるとこなんて何一つ持ち合わせていない。
それに、高身長で二人お似合いだ。俺みたいに頼りなくて、何もできない男よりきっと蓮は幸せになれる。
翔太💙 『あっ・・・消えちゃった』
月明かりだけが、俺を照らしている。
翔太💙 『頑張れよ・・・お願いだから頑張ってよ・・・』
月明かりの下で泣いた。咽び泣く声が暗闇に吸い込まれていく。
蓮を好きな想いだけが胸の中に残って苦しい。
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