テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#オリキャラ
ぱんけーき ぱん次郎
175
ひより✩.*˚DESIRE
71
ぴーち。@リボンを愛する者
2,041
頭に全てが流れてくる。
数年前に事故で命を落としたこと。この墓地から出ると記憶を無くすこと。彼は毎週私のお墓に手を合わせに来てくれること。
何度記憶を無くしても私は彼に一目惚れした。そして、それを何回も繰り返している。
愛おしくて堪らないのも、彼を心から愛しているのも全て生前の私の想いだった。
「もうすぐ君が亡くなって4年だ」
彼の口から声が漏れた。
その声はひどく震えている。
「僕は未だに前に進めないよ」
私の胸は後悔で埋め尽くされていた。
彼を置いていってしまったこと
私が幸せにしたかったのに、私が彼に残したものは辛い4年間と悲しみだ
彼がはは、と乾いた笑い声を漏らした。
「……優しい君はきっと、僕を一人にしてしまったと後悔しているだろうね」
心を読まれたのかと思ってどきっとした。
「この4年間、君を忘れたことはなかった。けれどそれは悲しみだけじゃない」
俯いた彼が、もう一度顔を上げた。
「君がくれたものは一生分の愛情と優しさだ。おかげで今日まで生きてこられた」
彼の愛おしそうな顔を見て私ははっとした。
あなたは私の顔を忘れる。
私の匂いも、声も、全部忘れる。
4年という年月は、その全てを忘れるのにきっと十分な時間だっただろう。
それでも彼はずっと私に逢いに来てくれた。
それは紛れもない愛だったのだ。
胸の後悔を覆い隠すように、彼への愛おしさが再び込み上げてきた。
伝うはずのない涙さえ感じる。
存在しない手を彼の頬へ伸ばした。
「私を愛してくれてありがとう 」
私は、あなたの全てが好き。
コメント
1件
読んだよ…切なくて、でもものすごく愛に満ちた話だった。 毎週日曜日、記憶を失っても絶対にまた恋に落ちる主人公と、4年間ずっと彼女を想い続ける彼。その"忘れる"と"覚えている"のすれ違いが、読んでて胸がぎゅってなった。 「君がくれたものは一生分の愛情と優しさだ」で涙腺崩壊したよ。忘れられていく側だけど、確かに愛は残ってるんだね。本当に素敵な物語をありがとう。続きが気になるよ🌙