いつの間にか、こんなにも多くの物語を抱えてしまったよ。
これではまるで、本当に天使になったみたいじゃないか。……ああ、そうだな。
あの子たちと一緒にいたら、そうなってもおかしくはないかな。
きっと僕は、最初から天使だったんだよ。
だから、あんなことを言ってしまったんだろうな。あの子はどう思っているだろう?……僕と同じ気持ちならいいけれど。……ああ、また来るよ。
約束はできないけど、なるべく来れるようにするよ。
それまで元気にしててね。
じゃあまた、連絡するから! うん、待ってる。
わかった。
じゃあね。……さよなら。
「ねえ、あなた」
僕は彼に話しかけます。
彼は答えません。
彼の表情にも変化はありません。
きっと聞こえてはいないでしょう。
それでもいいのです。
僕は言葉を続けました。
「僕はあなたのことが好きです。
だからずっと一緒にいたいです。
僕のことを好きになってくれなくても構いません。
僕が勝手に好きでいるだけで充分です。
もし許されるなら、これからも傍にいたいんです。
だけどそれは叶わない願いなんでしょうか?」
彼が答えることはありませんでした。
当然のことですね。
わかっていたことです。だから僕は、ここにいるのですから。……ですが、せめてもう少しだけ、猶予をくださいませんか。
あなたがいなくなってしまったら、 僕がここに留まる意味なんてなくなってしまうんです。……お願いします。どうか……。……。
もうすぐ終わりを迎えるこの街で、 あの子はまだ迷っているようですね。
このままでは、きっとまた後悔してしまうでしょう。
だからこそ、僕はあのとき声をかけたのだけれど……。
僕にわかることはただひとつ。……それは、あまりにも残酷なものだということだけさ。
この空っぽの世界は、おそらく永遠に続くのだ。
たとえ、終わりが訪れたとしても。………………
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