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ついに明日で2週間の教育実習も終わろうとしていた。
様々な部活動に顔を出しては、 挨拶をする度に生徒や先生から”明日で最後ですね”と言われ少しずつ別れを実感していく。
少々話過ぎたせいか、結局全ての部活動は見れずに終わった。
(バスケ、見たかったな・・・)
心残りからだろうか、足は自然と体育館へと向かっていた。
帰っていく生徒に視線を向けると、その奥から体育館で片付けをしている佐野の姿が見えた。
やはり遠くから見ても目を引く。
気になる気持ちを”明日のための事前挨拶と”正当化し体育館へと足を踏み入れた。
「───お疲れ様です。見学に来ちゃいました!ってもう終わってますよね・・・。」
『あっ、塩﨑先生~!見学大歓迎ですよ。バスケ部へようこそ~』
ニカッと笑う姿もカッコいい。
変に意識してしまったからか、あるいは広い体育館に2人きりのせいなのか落ち着かない。
側にあったバスケットボールを拾い上げコロコロと触る。
「僕、少しですけどやってましたよ。」
ふふっと笑い太智は佐野へ向かってボールをパスした。
佐野は突然向かってきたボールにもなんなく反応し、軽やかにドリブルをはじめた。
『じゃあ、──少しだけ勝負する?』
佐野のその誘い文句に太智も乗り気になり”絶対負けないっすよ!”と声を荒げ走り出した。
ボールとシューズが擦れ合う音、二人の笑い声が体育館に響いた。
「あ゛ーーーーー!負けたぁぁ!!!悔じぃ゛~!!!!」
ぜぇぜぇと弾む息を落ち着かせながら太智は床に座り込む。
大人げなく両手を広げはしゃぐ佐野を見ながら笑い、今だけ先生同士という関係から解放された気持ちで満たされていた。
『勝ったご褒美に、連絡先知りたい。』
ニコニコと太智の隣に座り伝えてくるその姿に自然と笑みがこぼれる。
「そんなん勝たんくても教えますよ。」
ふっと笑い”しゃーないですねぇ~”とポケットからスマホを出した。
「佐野先生、電話番号教えてください。僕かけます。」
両手を使って復唱しながら懸命にボタンを押していく。
すると佐野のスマホから着信音が鳴った。
『もしもし。』
「もしもし、佐野先生ですか?」
『はい。そうです。塩﨑先生ですか?」
「はい、そうです。」
目を合わせながら目の前の人と話す可笑しさに目尻が下がった。
『教員免許取れたら連絡してね。』
「連絡しますね!──多分・・・」
『はぁ?春になってもなかったら、鬼電するから!』
「あ~、そういうタイプかぁ~・・・・」
面倒そうな表情をしてやればこちょこちょと腹をくすぐられた。
抵抗しようと佐野の手を追いかけて、そのまま手を握り合ってお互い床へ倒れ込む。
佐野は繋いだ手をより一層強く握る。
このまま終わりたくないとでも伝えるように。
『俺以外と連絡先交換したら、嫉妬するからやめてね。』
至近距離でこちらを熱っぽい目で見つめられ不覚にも胸が高鳴った。
「そんな甘い言葉今まで何人に言ったんすか?」
太智はジト―っと目を細め疑う様に目線を向けると、笑いながらまたじゃれてこようとする彼に嫌な気はしなかった。
体育館の戸締り後、太智は佐野に振り返って言う。
「教員免許取れる前でも・・・連絡していいですか?」
クスクスと笑う太智を愛しそうに”いつでも電話してよ”と笑う佐野の姿があった。
コメント
1件
あーもう、このもどかしくて甘い感じやばかった…!体育館で2人きりのバスケからの連絡先交換シーン、最高すぎた。佐野先生の「俺以外と連絡先交換したら嫉妬するからやめてね」は反則級に刺さるわ。太智くんが「免許取れる前でも連絡していいですか?」って聞くところ、めっちゃ可愛くてニヤニヤが止まらんかった。実習終わっちゃう寂しさと、これから始まる関係の予感が絶妙に混ざってて、胸がきゅーっとした🩷💙