影の同盟 ― 余波(続き)第3章屋上。
星は出ている。
でも、どこか冷たい夜。
すいは鉄パイプを軽く振る。
刃に走る、あの微光。
戦いの後から消えない。
「……気のせいじゃねぇな。」
金属音が、少しだけ違う。
内部で何かが反応している。
そのとき。
足音。
蓮。
「まだ調整してるのか。」
「勝手に光るんだよ。」
蓮は刃を見る。
確かに、うっすらと光の筋が走る。
「あの紋様の爆発。エネルギーを吸った可能性がある。」
「吸った?」
「変質してるかもしれない。」
すいは少しだけ笑う。
「俺と同じか?」
蓮は否定しない。
「影を斬った武器だ。無傷なわけがない。」
沈黙。
風が吹く。
そのとき――
基地内部から警報音。
短く、鋭い。
二人が同時に振り向く。
通信が入る。
てんの声。
「全員、作戦室へ。緊急。」
________________________________________
作戦室
モニターに映るのは、
ノイズ混じりの映像。
ルクスの顔が険しい。
「影の同盟の動きがあったわ。」
キララが解析画面を拡大する。
「港で消えた二人の使者……」
映像が止まる。
そこに映るのは。
紋様。
あの男と同じ模様。
だが、
違う。
「数が……多い。」
あくが低く言う。
画面には、
十人以上。
しかも。
「……中心にいるの、子ども?」
リリが息を呑む。
小柄な影。
紋様が、全身を覆っている。
てんが続ける。
「これは偶発じゃない。港の戦いは“実験”だった可能性がある。」
空気が凍る。
ボスが静かに言う。
「我々の戦力を測った。」
ルクスが頷く。
「そして対策を打ってきた。」
すいは画面を見つめる。
あの爆発。
あの光。
「……終わってなかったってことか。」
蓮が横に立つ。
「始まったばかりだ。」
________________________________________
さらに不穏な報告
ナイトが別端末を見る。
「おい……これ。」
しょうが近づく。
「ダークネスの他グループにも接触があった記録がある。」
てんが目を細める。
「分裂させる気だ。」
ルクスの声が重く響く。
「影の同盟は、戦争を起こすつもりよ。」
沈黙。
ボスが決断する。
「こちらから動く。」
すいが顔を上げる。
「先手か。」
「待てば、飲まれる。」
短い。
確信。
________________________________________
すいの違和感
会議が終わり、部屋を出る。
あくがすいの横に並ぶ。
「……無茶すんなよ。」
「してない。」
「あの時、光を撃ちすぎた。」
すいは少しだけ目を逸らす。
事実。
あの瞬間、
限界を越えていた。
鉄パイプが、微かに震える。
あくが気づく。
「それ……」
「平気だ。」
だが、
刃に走る光は、
少しずつ強くなっている。
制御できるのか。
それとも――
影を斬った代償か。






