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日記にはなぐり書きでそう書かれていた。

絃葉「…な……な、何だこれ…」

力強い字の書き方には、この人の強い思いを感じる。その思いの強さは、まるで目の前で人が悶え苦しみだしたような情景を思い浮かばせる。

絃葉「この人…どうなったんだろ…。…やっぱり……」

この世には居なくなったのかも知れない。

そう考えていると突然日記から黒いモヤの様なものが溢れ出てくる。

絃葉「っ!!…なんだ!!」

その黒いモヤは僕の視界を徐々に蝕んでいく。

絃葉「…っやばい!」

そして意識がだんだん遠のいていく。


絃葉「ん…っ!」

僕は意識を取り戻すと視界が白みがかっていた。

絃葉「…ん?なんだ…この感覚……」

まるで夢の世界にいる様な、第三者の視点で見ている様な、ふわふわとした感覚になっていた。

絃葉「うわっ!!…人?!…え?」

突如、目の前に人が現れた。

絃葉「ちょっ…え?これ僕のこと見えてない?」

どれほど声を上げても一切の反応を示さない。

絃葉「てか…よく見たらこの人……」

僕の目の前に突如と現れた人は、うっすら体が透けて見えた。

絃葉「幽霊…??…」

そんな事を考えていると、その人がいきなり言葉を発し始める。

??《いやぁ〜今日はちょっと客足が少ないなぁ……日記でも書いとくか…》

するとその人は空気中に座る。

絃葉「喋りだした…てか…この人って…日記の…」

??《う〜ん…何書こっかなぁ…。》

すると徐々にその人の周りが鮮明に見え始める。

空気中に座っていたはずが、しっかりとした椅子に座っていて、その人の前には机があり、その上に日記が開かれた状態で置いてある。

絃葉「…これは…もしかしてっ…」

??《え〜とっ……。…ん?地震だ!!》

絃葉「地震……?」

僕は地震を感じなかったがその人は机の下へ隠れる。

??《…結構大きいな……。…って!何だあれ!!》

すると僕はまるでその人と同じ視点になったように、地震を感じ、崩壊していた壁もなかった筈の照明も、何もかもの輪郭がはっきり見え始める。

絃葉「っ!あれって!!」

ショッピングモールの通路から黒い煙が、波のように押し寄せてくる。

??《な、何なんだ!!っやばい!!》

その人は机の下から出て日記を持ち、僕のすぐそばまで急ぎ足で来る。

絃葉「っ!…な…なんだ?」

そして床に日記を広げ、文字を殴るように書いていく。

??《っなにがおきているのかわからない…》

すると更に大きな地震が起きる。

絃葉「うわっ!!」

照明やら食器やらが落ちて割れ、黒い煙を放つ。

??《じしんがっ!けむりがすごい…》

黒い煙は僕の顔の前まできて、吸い込めば喉が焼けるような痛みを感じる。

絃葉「っ!ケホッゴホッ!」

??《じかんが…おかしいっ…た…す……けて…》


すると目の前がパッと元の景色に戻る。

絃葉「…っ!!なんだ、今の!?…残留思念?…」

小さな頃、おじいちゃんがよく言っていた。


『この場所には沢山の残留思念が溜まっておるな…』

『残留思念?』

『あぁ…残留思念は、その場に残る思念が強いほど起きやすい謎の現象じゃ。人によってはまるで映像のように見れる者もおるのじゃとか…』

『へぇ〜!すごい!おじいちゃんも感じれるの?』

『まぁ強い残留思念ならうっすら聞こえる程度じゃが感じれはするぞ。』


絃葉「その場に残る思念が強いと…か…」

さっき見た光景は、あの人の強過ぎた残留思念のせいだろうか。

僕はとりあえず立ち上がり日記をリュックへ入れる。

絃葉「一旦この辺りを探索しよう。」

僕はキッチンの奥へ食料を探しに行く。

絃葉「……うわっ!めっちゃツルが伸びてる…」

キッチンの奥は他の場所よりも、明らかに植物の量が多かった。

絃葉「ってか!これって…じゃ…がい…も?」

ツルにはじゃがいものような物ができていた。

絃葉「でも…じゃがいもって普通、土に埋まって成長するよね…」

とは思いながらも、植物の成長速度がおかしいこの世界では不思議なことではないと考え、ナイフを使ってじゃがいもらしき芋を手に入れる。

絃葉「あ〜リュックがパンパンだ…飲み物減らすか」

飲み物が入ったペットボトルを数本減らし、じゃがいももどきをいくつか入れる。

絃葉「よいしょっ…と……。そういえば…もうちょっと大きいカバンが上にあったような……」

この学校用のリュックのサイズだと不便なので、大きいリュックを探しに上へ戻ることにする。

絃葉「カフェの場所にあった塩とかも持って行きたいからな…」


絃葉「よ〜し、どこら辺だったかな…。」

僕は3階へ戻り、大きなリュックを探す。

絃葉「…たしか……キャンプ用品ゾーンだったっけ?」

そしてキャンプ用品の場所に行き、目的のリュックを探す。

絃葉「よし!やっぱあった!!」

登山などに使う大きなリュックを見つけ、穴が空いてないか確認する。

絃葉「所々擦れてキズが付いてるけど大丈夫そう!」

僕は学校のリュックから登山のリュックに、所持品をまとめて移し替える。

絃葉「よっこらせっ…。ちょっと重いけどこのくらいなら全然歩けそう!」

そして2階へ戻り、カフェの跡にあった塩と砂糖を空のペットボトルに入れて、リュックへしまう。

絃葉「よいしょ…この場所でできることはこんくらいかな〜…」

ライトも火をつける道具も無いので、探索できる範囲が限られていて、これ以上探索のしようがない。

僕は次の目的地を考えることにした。

廃れた世界で僕は

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