テラーノベル
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大学1年、8月。
ダチが軽音部所属なので、
誘われて学生ライブに来た仁義。
ライブはもう終盤。
歌っているまりかの首に痣を見つける。
仁義はつい凝視してしまう。
「(恋人に首絞めてもらったのかな。)」
「(ええなあ。)」
翌日。
大学でまりかに呼び止められ、
「私のことめちゃくちゃ見てたけどなんで?」と聞かれる仁義。
「(言ったところで気持ち悪がられてしまいやろな)」と、
「(首を絞められるのにふさわしいとは言わないが)女の子らしくてうらやましかった」と言う。
前日のライブ疲れでストレスの溜まっていたまりかは「じゃあ羨ましい子とキスでもしてみる?」とからかう。
「もしかしたらキスすれば僕もこんな変なこと思わない『普通の男』になれるかも」と思った仁義はキスに応じようとする。
「(…でも。)」「ごめん、やっぱ無理…」
突っぱねようとして肩を押す。
勢いが強すぎて後ろに倒れかけるまりか。
慌ててまりかの右腕を掴む。アームカバーが取れて、傷が見える。
動揺したまりかに殴られる。
翌日。
まりか「ごめんやりすぎた。埋め合わせさせて。日曜あいてる? 」
日曜日。
「休日だから」とめっちゃアイプチとかカラコンとか入れてフリフリワンピースに金髪ウィッグを纏って変身した状態であらわれるまりか。
「女の子摂取しようや」とめっちゃかわいいカフェに連れてかれる仁義。
「見た? 右腕。」
切り出すまりか。
「昔ちょっとアレな友達がいてさ。」
「まあ、毒されてただけ。」
「今は全然。」
少し笑って、
「……首はたまに掴んじゃうけど。」
仁義「…首。」
「ストレス溜まると癖で掴んじゃうんだよね。」
仁義「…そっか。そうだったんだ。」
内心「なあんや」と思いながら、
ソファに埋もれる仁義。
「?」腕を少しだけ見つめる。
「……傷、あったっけ?」
まりか 「え。」「……あったよ。」
仁義「悪い猫だね。そんないつまでも残る傷つけて」
まりか「猫?」
仁義「え?友達の猫に引っかかれたんでしょ? 」
まりか「……。ははっ。」「まあ、いいや。」
仁義「痛かった?」
まりか「昔はね。」
「ま、私もちょっと変わった奴だからさ。」
「よけりゃ仲良くしてくれないかな。」
仁義「…うん。よろしくね。」
「僕、魚崎仁義。」
まりか「じんぎ」
仁義「仁義なき戦いの」
まりか「しっぶ」
仁義「お父さんがVシネ好きでさ。」
「仁ちゃんでいいよ。」
まりか「ははは。」
「あたし、夏井まりか。」
仁義「まりりんさん(ダチから聞いた呼称)」
まりか「まりりんでいい。」
「まりちゃんでもいい。」
仁義「⋯そう」「よろしく。まりりん。」
銀杏BOYZ『BABY BABY』。
コメント
1件
いやー、これめっちゃ良かった……! 最初「首の痣」とか「傷」のシーンでヒヤッとしたけど、仁義が「悪い猫だね」って優しく流すところでグッときた。お互いちょっと変わってるけど、ちゃんとわかり合おうとしてる感じが刺さるわ。最後の「よろしく。まりりん。」でほっこりした。銀杏BOYZの曲が合う空気感も好き。