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第67話「神々からの継承、宿命を抱いて」
天光が差し込む神殿の広間に、ゲズたち4人の英雄が神々の幹部たちと一列に向き合っていた。
黄金のオーラを纏うアポロンが、ゆっくりと口を開く。
アポロン「これまでの試練、そして修練。お前たちはよくぞ乗り越えた。だが……これからは、戦いだ。命の重みを知る戦争だ。」
その言葉に、ゲズたちの表情が引き締まる。
その時、女神アフロディーテが一歩前に出た。手にしているのは、輝く結晶の首飾り。
アフロディーテ「これは“魂の共鳴石”。あなたたちの想いと力が重なる時、この石は真の輝きを放つわ。セレナ、あなたに託す。」
セレナがそっと受け取る。優しく微笑みながらも、瞳には強い覚悟が宿っていた。
セレナ「ありがとう……必ず、この力を皆のために使うわ。」
次に現れたのはアレス。炎の槍を手にしたまま、リオンの前に立つ。
アレス「お前の剣には正義が宿る。だがそれだけでは神の敵は倒せん。受け取れ、“戦神の残光”──俺の力の一部だ。」
槍がリオンの剣に触れた瞬間、剣が朱色に染まり、炎の痕が浮かぶ。
リオン「……ありがとう。お前の熱さ、感じたぜ。」
続いて現れたのはアルテミス。静かな夜風のように、彼女はウカビルの前へ。
アルテミス「あなたには、過去という重荷がある。でも、今を選び続けるなら……“月影の紋章”があなたを導く。」
ウカビルの左腕に月の刻印が浮かび上がる。
ウカビル「カティア……俺はもう迷わない。これが、俺の新たな誓いだ。」
最後に現れたのは、女神アテナ。
アテナ「ゲズ。あなたは雷に選ばれし者……だけど、それは孤独な力だったはず。だから今、私は“雷神の紋章”をあなたに授けます。」
手をかざすと、ゲズの背に雷の紋様が刻まれ、背後に巨大な雷鳥の幻影が一瞬だけ浮かび上がった。
ゲズ「母さん……俺、今なら胸を張って言える。俺はもう独りじゃない。」
その時、神殿の空が一瞬だけ揺れた。
ポセイドンが眉をひそめる。
ポセイドン「闇の海が……ざわついている。奴ら、動き出したな。」
場の空気が変わる。光の神々の顔に緊張が走る。
その直後、場面が切り替わる。
──暗黒神サタンの玉座。
その足元に跪く、憤怒の悪魔アザゼルが、低い声で報告していた。
アザゼル「神の軍団が、英雄たちに力を授けました。……もう間もなく、奴らは来るでしょう。」
玉座に座るサタンは笑う。目には一切の感情がなかった。
サタン「ならば始めよう。混沌の幕を……開ける時だ。」
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