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あっという間に4年の月日は経った、セイカは12歳にしてセイカ城の主となりセイカ軍の将軍となった
無論戦場へ出る時は後ろに控えさせ側近達が命をかけて守り抜く覚悟だ
父ケイシが好んで着ていた濃い藍色の着物を着た姿はかつてのケイシを彷彿とさせる
「セイカ様、本当に立派になられましたな」
指導係のソービが感慨深く言った
「なにを言うか、俺はまだまだ子供だぞ、今はまだ名前だけの城主だ、立派な城主になれるようこれかも指導を頼むぞ」
「はい」
側近の中でも人を見る目が優れているソービはセイカが父ケイシをも超える大将軍になると確信した
7歳になったユイもまた随分としっかりした子供になった、兄が8歳の時に学び始めた事は既に一通りできるようになっていた
(絶対に俺が兄様を守るんだ)
ユイの心は常にその一心だった、7歳の子供にはきつい剣術の稽古も
(強くなって兄様を守るんだ!)
その気持ちだけで耐えてこなしてきた
二人は今でも同じ部屋を使っている、寝る時も今は布団を二つ並べて寝ている
「兄様」
「ん?」
「まだ戦場には行かないよね?」
「..さあな、出ろと言われたら出るしかないだろ」
「だって兄様はまだ子供だよ!」
「なんだ、どうした、城主であり軍の将軍になったんだ、歳は関係ないだろ」
不安そうなユイにセイカは優しく言った
「嫌だ!兄様だけ行かせない!その時は俺も行く!」
クスっと笑いながら横を向き隣の布団からこちらを見ているユイの頭を撫でた
「大丈夫だ、俺は絶対に死なない、約束だ、可愛い弟のお前を一人にはしない」
「約束だよ!約束だからね!」
そして手を繋ぎ眠りにつく、いつもこうして最後は手を繋ぐ、
ユイはギュっと絶対に離さないといわんばかりに力いっぱい握りしめる
セイカはいつもそれを優しく受け止める
自分より一回り大きな兄の手に優しく包まれてるようでユイは安心する
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