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第二章 兄と妹
エピソード8
近所の病院で定期健診をする未来。
「未来ちゃん、術後の経過も良くなってる。毎回言うようだけど、激しい運動は控えて下さいね。」と医者はいう。
「分かってるって。先生、またね。」と未来は病院を後にする。
近くのコンビニに寄ろうとする未来。その時、後ろから声を掛けられる。
「未来!病院帰り?」と男子生徒がいう。
「アキラ君!そうだよ。」と恋人のアキラに未来は応える。
「これから、友達とカラオケ行くんだけど、未来も来ない?」とアキラはいう。
「ごめん。私、カラオケとか激しい運動に繋がることは、できないの」と未来は断る。
「つまんねーな。あと、俺ら別れない?未来と付き合ってても面白くねーし」とアキラはいう。
「そんな。私、子供の頃心臓の手術してって、付き合う前に伝えたよね?それなのに、なんで?」と未来は聞く。
「俺、他に好きな子出来たんだよね。だから、別れてほしい。」とアキラは面倒くさそうにいう。
「分かった。じゃあ、別れよ?」と悲しい声でいう。
未来は、帰宅するや否や自室に入る。
「未来?帰ってたの?どうしたの?」と母は心配そうに未来の部屋のドアを見つめる。
ドア越しに未来の泣く声が聞こえた。
母の声も聞かずただ、自室で泣く未来。
数時間後、俺は今日も実家にタダ飯目的でやってきた。
「あれ?未来は?」と俺は母に聞く。
「分からないの。帰ってきたと思ったら、自分の部屋に篭もりっぱなし。」と母はいう。
父も仕事から帰ってきて、3人で食事をする事に。いつもなら、席が埋まるのだが、妹のところは空席。だが、食事は用意されていた。
「未来は?」と父が母に聞く。
「____そっとして置いてやりなさい。」と父はいう。
食事が終わり、いつものように縁側の中央に座りたばこを吸う俺。
そこに部屋から未来が目を真っ赤にして出てきた。