テラーノベル
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「…レグドは」
ほぼほぼ床を見ているのと同じぐらいの下を見て漸く目が合った。特徴的な赤い目は大きくて、頬は一層丸みを帯びている。
「ルド?」
リヨウの声が砂煙が立つ荒野に風の音と同時に響いた。
数時間前
「ルド〜、依頼一緒に頑張ろ〜」
リヨウの声がロビーに響いた。
今日の依頼は小型斑獣の討伐で、1番最初にルドが同伴した任務と同じメンバー…リヨウとルド。サポートにフォロとグリスという面々。
エンジンは禁域の散歩でザンカは別の依頼で出払っている。
リヨウの声に賛同するように小さく頷いたルドの頭をリヨウはわさわさと触る。乱雑に優しく撫でるように。
「じゃあ、行こっか」
車に乗り込んで、数分もせずに目的地に着いた。
車から降りて周辺を見渡せば視界は砂埃で覆われていてアモと初めて会った時みたいだ…とルドは思う。
チャと自身の神器であるハサミを構えるリヨウ、ルドにとっては宝物が入ったポシェットに手を突っ込んでいるルド。
どこから斑獣が来ても良いように、拳を握るグリスと足を踏み締めるフォロ。
緊張感が走った。
「……いない?」
周囲には斑獣どころか物陰一つもない一色に染まった砂漠、拉致があかないと2組人分かれて捜索することになった。
何かあった場合に備えて遠方には行かずに近くにいるということだけを決めて創作にあたった。
ルドとグリス
リヨウとフォロという2人組で。
「足元気を付けて歩けよ、ルド」
「あぁ…ありがとうグリス」
その時にルドの足元に見えた斑獣。ソイツは砂から現れた大型の蠍に似た斑獣だった。
反応に遅れたルドは、蠍の尾で軽くルドの腕に触れた。
「イッ!」
小さく痛みに苦しんだ瞬時に、持ってきていた三角定規を上手く使って首を一刀両断した。けれど毒のようなものは消えないようで、ドクンと大きく心臓の音がルドの耳に響いた。
「ルド大丈夫か!」
膝を地面に付いたルドにすぐさま駆け寄ったグリスの目には地面に落ちたルドの服と小さい…大凡3歳前後の子供がいた。
ルドが倒した蠍はピクリとも動かず既に生命活動を止めているんだと判断できた為、チョーカーを使いリヨウと連絡をとった。
「あー、リヨウ」
「グリス?どうしたの」
「斑獣はルドが倒した、車に集合してくれ…話さなきゃいけないことがある」
足元の子供を抱き抱えて、ルドが着ていた筈の服を手に取り車へと向かった。
そして冒頭に戻る
「まさか、この子ルド?」
「状況からしたら多分ルドだ」
髪色も目の色もルドと同じ小さい子供は、ジッとリヨウ達を見つめている。
レグドという人物を探しているのだろうが、きっとルドの親なのだろう…
「んーと、レグドさんは今お仕事しててさ」
「あ、私はレグドさんの仕事仲間のリヨウっていうんだ〜」
屈んで目線を合わせれば随分と大きい目で真っ直ぐ見られる。
「レグド、今いない?」
「うん、いないんだ〜」
こてりと首を傾げて悲しそうにしたルドらしき子の頭を撫でればやはりルドと同じ髪質をしていた。
「一緒に掃除屋ってとこに帰るんだけど…それでも良い?」
素直に頷いて良いよと舌っ足らずに言うルドに似た子。
「そんじゃ、出発進行ー」
車内で名前やレグドという人物の事をいくつも聞いていけば色んなことがわかった。
この少年はやっぱりルドなこと、レグドさんはルドの里親ってこと、年齢は4歳。
「どうしようか…ルド」
「取り敢えずセミュに聞いてみるしかねぇな」
フォロの手を取って引き連れてロビーを練り歩くルド。軽く頭を抱えているグリスとリヨウ。
「待たせたわね…で、ルドがどうしったって?」
扉から出てきたセミュに手を繋がれているフォロがルドを見せる。
「この子は……正真正銘ルドね…」
「やっぱりそうか…」
どうしたものか…と再び頭を抱えたルドとリヨウを除いた3人。リヨウは、良くわかんないことを良く考えても意味がないよ〜。とそうそうに諦めてルド抱っこして遊んでいる。
コメント
2件
幼児化ルド可愛いっ