テラーノベル
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中学校から走って帰り、パソコンの前でスタンバイ。外を見ると、ほんの少し雪が舞っていた。忘れもしないあの日――昨年度の12月3日日曜日もこんな天気だった。私はあの日に人生が変わったと言ってもいい。
あの日、私は母に連れられて紫雲学園の見学会へ足を運んでいた。「一咲の、今日はちょっと特別だからね」母の言葉が忘れられない。あの伝説の魔法学校『紫雲学園』に行けると思うと、胸が高鳴った。
バス・モノレール・鉄道を乗り継ぎ、家から約2時間。広大な敷地に校舎が立ち並び、学園内を歩く生徒たちの姿が目に入る。
案内をしてくれる生徒が私たちを迎え、学園内を案内してくれた。魔法の使い方を教える教室、魔法実験が行われる実験室、さらには訓練用の広場まで、とにかく全てが魅力的だった。
「こんな場所で、私も学びたい。」
心の中で、強くそう思った。
家に帰ってから、すぐに決めた。私は紫雲学園を受験する!
それからは勉強漬けの日々。何度辞めたいと思ったことか。何度諦めかけたことか。けれどもそんなときに思い出すのは、見学会で感じたあのワクワク感。
そして私は今から3日前、受験に挑んだ。その日、緊張と興奮が入り混じる中、試験会場に足を踏み入れた。試験内容は、魔法の基礎知識から、実際に魔法を使ってみる実技まで幅広い。見学で感じたワクワク感を忘れずに、全力を尽くした。
「これで、合格できますように。」
そう心の中で祈り、試験会場を後にした。
そして今日、合格発表の日に至る。
時計の針が動き、16時を指した。遂に合格発表の時間がやって来たのだ。手が震えるのを感じる。心臓が早鐘のように鳴り響く。
どうか、どうか――!
画面をクリックする。その先で踊る文字が私の目を釘付けにした。
「合格おめでとうございます」
思わず、叫び声が漏れた。
その後、中学校の友達と笑い合い、毎日の勉強に励む日々が過ぎていく中、胸の中に熱い思いが積もっていった。紫雲学園で新しい仲間たちと出会い、魔法のことをもっと深く学び、あの場所で成長していく――そんな未来を強く描いていた。
ここからが、私の本当の冒険の始まりだ。私は、新しい仲間たちと共に、未知の世界に踏み出す覚悟を決めていた。
「学園で、どんなことを学べるんだろう?」
――心の中で自分に問いかけながら、私は新しい未来に思いを馳せていた。
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