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「あなたにとっての幸福とは?」
「…………」
黙り込む私を見て、彼は苦笑を浮かべながら言う。
「やっぱり何も言わないか」
「ごめんなさい」
「別に謝らなくても良いよ。わかってたことだしね。でもさ、僕は君に幸せになってほしいと思ってるんだよ。君は僕にとっては大切な人なんだからさ」
その言葉を聞いた瞬間、私の目からは涙が溢れ出す。
どうして泣いているのか自分でもわからなかったが、とにかく悲しかったのだ。
「うっ……ぐずっ……」
嗚咽を上げ続ける私を前にしても、彼はただ静かに微笑んでいるだけだった。私は必死になって泣き止もうとしたが、身体の奥底から溢れ出す感情を抑え込むことが出来なかった。
「あなたって人は……」
私の瞳からは大粒の涙が次々と零れ落ちていった。しかし、不思議と悲しい気持ちではなかった。むしろ嬉しかったのだ。
どうしてなのかわからないけれど、目の前にいる彼も泣いていたからだ。
私が声をかける前に、彼は先に口を開いた。
ありがとう。
その一言を口にするだけで精一杯だった。
お前のおかげだよ。
そう言ってもらえるだけでも幸せだったが、それでも足りないと思った。もっと他に言うべきことがあるはずだ。
だが、言葉の代わりに出てきたものは、涙ばかりだった。
ようやく落ち着いてきた頃に、私は言った。
「ねぇ」
ん?
「今度は一緒に行きましょうね」……ああ、そうだな。
「約束よ?」
もちろんさ。
二人は互いに見つめ合いながら笑い合った。そうしてまた歩き出す二人の間には、確かな絆があった。
たとえ世界が変わっても、変わらないものがある。
だから私は、あなたと一緒に生きていきたい! 何度やり直せるとしても、きっと同じ選択をするはずだ。
君とは長い付き合いになるね。
これからもよろしく頼むよ。
僕は、いつだって君の味方だよ。……うん。そうだよね。
大丈夫。わかってる。
ちゃんと考えてみる。
ありがとう……。
私なんかのために……。
ごめんなさい……。
今はまだ……わからないけど……。
いつか……必ず見つけ出してみせるわ……。