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13 - 第13話 悲鳴を秘める

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2022年08月20日

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それからしばらく経っても、戻ってこなかった。

仕方なく私は、私自身を偽ることにした。


その方が楽になれそうだと思ったからだ。

しかし、これは一時的な処置に過ぎない。

いずれ必ず破綻が訪れることはわかっている。

私が、今ある自分を捨てずに済む方法を考え出さなくてはならないだろう。

このまま何もしなければ、きっと私は近いうちに死んでしまうはずだ。

しかし、それでも構わないと思っている。

たとえ死んだとしても、それまでに得た知識や経験は全て消えてなくなるわけではない。

それに、何より恐ろしいのは、今の自分をなかったことにして生まれ変わることだ。

これまでの記憶も全て失ってしまえば、自分はいったい誰なのかがわからなくなってしまうだろう。

そんな状態で新しい人生をやり直すなど、あまりにも恐ろしくて想像すらできない。

だから、私は、今までどおりの自分でいることを選んだ。

そうすることで得られるメリットがあると信じているからこその行動なのだ。

私にとっては、これが最善の選択であり、それ以外の選択肢は存在しない。

なぜならば、それが私にとっての真実で、それ以外を考えることなどありえないからである。

だが、その考えこそが、実は大きな間違いであったということを、この時の私は知る由もなかった。

もしも、あのままの私であれば、おそらく永遠に気づくことはなかっただろう。

私が、本当の意味で自分自身を取り戻すことができる日が来るとは思えなかった。

けれど、私は諦めない。

絶対に諦めるものか! たとえこの先に待っている結末が悲劇であろうが喜劇であろうが、最後まで足掻いてみせる。

その結果として訪れる未来は、必ずしも幸福ではないかもしれないが、少なくとも後悔だけはしないはずだ。

たとえどれほど苦しくても、どれだけ辛い道程になろうとも、 私は諦めずに前に進み続けようと思う。

立ち止まることは簡単だし、実際に立ち止まってしまえば楽になるかもしれないけれど、そこで足を止めたら最後、二度と歩き出せないような気がするから。

私が私らしくあるために、私が私であるために、 私は私の選んだ道を進むのだ。

例え、それが茨の道であったとしても。

きっと、これは神様からの挑戦状なのだ。

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