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コメント
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ぐっ!優しさが染みて、辛いこと忘れられた!すげぇ!
あああァァァ!最高でした!ありがとございますゥゥゥ!めちゃくちゃ最高じゃねぇか伊武ニキの優しさが染み渡る!!
⚠ほんのりBL描写があります。ヒューマンバグ大学様の新しく出来た河内組シリーズの公開されている分を見た上での1部捏造があることをご承知ください。⚠
俺は阿蒜寛太。河内組のペーペーヤクザだ。俺がこの組に入る理由になった伊武の兄貴。今は俺の恋人だ。
俺は母親が壊れたショック、離れ離れになったショックが未だに残ったままだ。この時期になると勝手に涙が出てくることがある。
泣いていたら迷惑をかけるから、迷惑と判断されたら捨てられちゃうから泣くのを我慢してたのに、
俺は急に感情が爆発してボロボロ涙が出てきた。しかも、尊敬する恋人の伊武の兄貴の前で。
伊武「阿蒜?どうした?!」
阿蒜「分かんなっ…急に…」
止まれ。止まってくれ。恥を晒したくない。目の前に伊武の兄貴がいるなんてお構いなしかのように、涙がずっと止まんなかった。
気がつくと見慣れない天井が視界に映された。
阿蒜「あ、…れ、ここ…は?」
伊武「俺の家だ。」
阿蒜「伊武の兄貴!?何故?!」
伊武「俺の目の前で急に泣いて、その後泣き疲れて寝たんだよ。」
阿蒜「うぅ…ごめんなさい…。」
伊武「いいんだ。…魘されてたが、大丈夫か?」
阿蒜「え…?」
伊武「母さんごめんなさい。とずっとうわ言のように言ってたぞ。」
阿蒜「いや…大丈夫です…。」
その瞬間頭に幼少期によく感じた感覚になった。そう、伊武の兄貴が俺の頭を撫でてくれた。
伊武「お前の過去に深く干渉しても傷つけるのは承知の上だから言わないが…俺の前でだったらいくらでも泣いていいぞ。」
阿蒜「あ、…ありがとうございます…」
伊武「…よく頑張ったな。」
阿蒜「…うぅっ…うわぁぁん!!」
また涙が出た。でも、兄貴は黙って俺に抱きついてくれた。
母親からもらった記憶にほんの少しだけある愛情、母親の姿が伊武の兄貴に重なった。
散々泣いた後、眠気がきた。
阿蒜「ありがとう…ございます…」
伊武「あぁ…今は眠くなっただろう。ゆっくり休みな。」
その返事を聞いてから、俺は意識を手放した。
優しさが染みる
―終―