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第一種目の五十メートル走、四.二秒。
第二種目の握力、九十五キロ。
個性無しの平均よりズバ抜けて高い記録を出していった私は、かなり順調だった。
ずっと安定していい記録を出す私に、周りのヤツらが「あいつなんの個性使ってんだ……?」とざわざわしだすが、それを無視してテストを続けた。
んで、五種目目のボール投げ。
私が準備をしようとすると、天哉が話しかけてきた。
飯「翡翠くん!!君は一番と呼べる記録はないが、安定してすばらしい記録を出し続けている!!昔から聞きたかったが、一体、どんな個性を使っているんだ?!是非教えてもらいたい!!?」
『言ってなかったっけ?実は、今使ってないんだよね』
飯「ナニ!?」
なんかわめいてる天哉を無視して、白い線で引かれた円の中に入った。
そして肩を軽く回して、投げようと腕を構えたところでうっぜェ男の低い声に止められた。
相「おい、天草」
『……あ?なんだよ』
相「おまえやっばり個性使ってねぇんだな。今の聞いてたぞ」
……バレた。
うわーめんどくせぇ。
もう少しでテスト終わんのにバレた。
クソ、天哉のせいだ。許さねェ。
……でも別に個性使わなかったら駄目なんて一言も言われてねェよな?ならいいだろ。
『ああそーだけど、なんだよ。使わなきゃダメなんて言ってねェだろアンタ』
相「そうだな。だが使わなくても許されるのは、個性が役に立たないときだけだ」
『!……は?』
私の心を見透かしたように言うクソワカメに、私は眉間のしわを濃くした。
まさかコイツ私の個性知ってんのか?
……いやそれはねェ。入学式前に配られた個性届ってのにはテキトーに嘘のヤツを書いた。
だから知るはずが……あ?ッまさか!
相「おまえは力を強化する個性なんだろ?自分で書いておいて違います、なんて言わねぇよな?」