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『ッマジか…!!』
ひらひらと私が、あのとき書いた紙を見せつけ、私を軽く睨んで言ったワカメ野郎。
私、痛恨のミス。
あんときだるくて思いついたヤツ、テキトーに書いてたから、覚えてなかった。
しかもこんなテストあるとかも考えつかなかった。
……やっべェ。
相「普通は除籍なんてなりたくねぇから、自分の使える個性全力で使ってこのテストに挑む。が、おまえは違った。使えばかなり有利になる個性を持っているのに、だ」
『……』
相「ってことはつまりだ。おまえはどうしても除籍になりたいか、もしくは……
____この紙に書いてあるもんがまったくの嘘で、別の個性を持ってるってことだ」
『っ!!』
相「まぁ後者だろ。………で、図星か?」
本当に思ってることを見透かされた私は、思わず後ろに下がって睨んだ。
その反応を見て、ワカメ野郎はフッと笑う。
なんだコイツ、エスパーか!?
『……だったらどうした。私は個性を使わなくても最下位にならねェし、上位だってなれねェわけじゃねェ』
相「さっき言っただろ。個性を使わなくても許されるのは、役に立たないときだけだと」
『……だから?』
相「おまえがどうしてもその個性を使わないっていうんなら……除籍だ」
『え…………..』
除籍。
相変わらずの淡々とした低いうぜェ声で言ったワカメ野郎に、私は今までにないぐれェ驚いた。
んで、言葉がでなくなった。
除籍。
じょせき。
この学校から追い出される。
ヒーローに、なれない。
駄目だ、だめ。
そんなことはぜってェに許されねェ。
どうする?どうすればいい!?
コイツを殺すか?……いやそれはだめだ。
殺しをするのは、兄さんが求めるヒーローじゃない。
じゃあどうすりゃいい?!
『………っは、は』
相「!……おい?どうした」
……個性を使う?
こんな大勢の前で?
そしたら、それなら、除籍にはならねェ。
でも見られる。
バレるかもしれねェ。私の、個性が。
いやだ。
バレたら、バレたらまた、あのときみてェに!!
『や、だ……!』
……でも一瞬なら。一回なら。
バレねェ?
多分、バレねェ。
ヒーローになるか。個性がバレる『かも』しれねェか。
……この二択なら。