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#魔道具職人
こはる
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ミーニャさんが大型トレイに目一杯料理を詰め込むのは、予想通りというかいつも通り。
俺とジョンが常識的な量だけを取るのも、まあいつも通り。
そしてアライアさんは、俺たちよりもミーニャさん側だった。
巨大なお盆にこれでもかと料理を詰め込んで、そしてテーブルへ。
並んでいた料理そのものはこんな感じで、基本的に調理方法で分類されている。
① 刺身(カルパッチョ):大皿に各種の魚の各部位をこれでもかと盛り付け、ハーブを散らしてソースをかけたもの
② 焼き魚1:基本的に軽く塩をしただけで焼いたもの。サバ、アジ、スズキ?、フナ? などを頭を取って3枚おろしにした後、背骨を含まない身を軽く塩を振ってそのまま焼いた形
③ 焼き魚2:茶色い甘辛のタレを塗りつつ焼いたもの。焼き魚1にある魚の他、ウナギ、ナマズ、ドジョウといった魚も。
④ 焼き魚3:魚を開いて干したものを焼いたもの。サバ、アジ、イワシなど
⑤ フライ1:各種の魚を揚げたもの。半身だったり、小さいものは頭と内臓を取っただけで丸揚げだったり。カラマロの足や輪っか状に切った胴体のフライも確認
⑥ フライ2?:フライ1のうち主に小魚丸揚げ系と、ネギ、カボチャ、ピーマン、ニンジン等を揚げたものを、茶色い汁に漬けたもの。若干酸っぱめの香りがする
⑦ 煮物1:魚を甘辛味で艶が出るくらいまで煮たもの
⑧ 煮物2:魚の他にトマトとニンニクが入った冷製スープ仕立て。ただし汁より具の方がはるかに多い
⑨ クッション:魚のすり身を練って揚げたもの。原材料の魚によって色が少しずつ違う。揚げた直後の熱い状態
⑩ スープ:魚の身が入った、黄金色のスープ。こちらはちゃんと汁が多いスープ
⑪ パンやご飯
⑫ サラダ代わりの野菜類:生野菜は少しだけで、蒸したり揚げたりしたものがほとんど
⑬ 卵酢などを含む、ソース類各種
こんなのが通常の机よりはるかに広い皿に、てんこ盛りに入っていて、ずらっと並んでいるわけだ。
見るだけでお腹いっぱいになりそうだけれど、美味しそうなのは間違いない。
とりあえず俺は、刺身3切れずつ5種類、フライ1を大きい切り身と丸ごと、焼き魚1をサバで、スープ2、ご飯、卵酢、蒸し野菜少々という感じで取ってきた。
ジョンは俺と同じ小さい方のトレイで、量も大体俺と同じくらい。
ただしご飯ではなくパン。
アライアさんはフライ1をほぼ全種類かつ大量、焼き魚2をほぼ全種類、揚げ野菜が全種類かつ大量、卵酢を含めたソース3種類、辛いスープという、揚げ物重視。
大きいお盆がほぼいっぱいになっているけれど、料理が重なっている部分はないという状態。
ミーニャさんは……
味が混ざらないように、取れるだけ取ってきた状態。
こんなの人間が食べる量じゃないし、そもそも身体に入りきらないだろうと思う。
しかし周囲の猫獸人さんのテーブルを見てみると、割と似たり寄ったりだ。
基本的に巨大トレイで、目一杯。
子供でも若くても、年長っぽくても。
なお見える範囲の猫獸人さんは、全員女性だ。
猫獸人の男性は、何処にいるのだろう。
男性は俺とジョンを含んで普人12人、熊獸人1人。
俺とジョンと、ヘイニャさんと一緒に来た冒険者風の人以外は腕章なしだから、この村の猫獸人の皆さんの家族なのだろうと思う。
「それじゃ遠慮せず、思い切り食べるのニャ。あとおかわりは自由ニャ」
ということで、食事開始。
さて、まずは種類がわからない、白身の魚のカルパッチョから。
他の刺身と切り方やソースが違うので、気になっていたのだ。
切り方は一度普通の刺身のように切った後、更に厚さ方向に包丁を入れて、1枚1枚を開きにしたような形。
大根と赤唐辛子をすりつぶした物に刻んだネギを混ぜ、柑橘や何か茶色い汁を混ぜたタレというかドレッシングがかかっている。
身は、厚さの割にかなり弾力性がある。
薄く切った部分はあっさり食べられるけれど、少し厚みのある部分は二度三度噛みしめるような感じ。
味そのものは最初は薄味というか、ごく淡泊。
でも噛みしめると、身の味がしっかり広がってくる。
かなり繊細な味だけれど、間違いなく美味しい。
そして酸味のあるさっぱりしたドレッシングが、いい感じでこの味を引き立てている。
これはなかなか癖になりそうだ。
もっと取ってくれば良かった。
しかしこれは、何という魚なのだろう。
俺の知識にはない魚だ。
ミーニャさんに聞きたいところだけれど、食べるのに忙しく、聞けるような状態ではない。
料理のところに、何か説明が書いていなかっただろうか。
そう思って、魔法で見てみる。
この刺身というかカルパッチョがあった場所に、こんな説明があった。
『斑点膨れ魚:最大70cm、11kgくらいになる海の魚で、敵や脅威を感じると水を吸い込んで膨れ上がることから、この名前がついています。旬は冬ですが一年中獲れます。ただし毒があり毎年死亡者が数名出ているので、捌くのは専門家に任せるべきです。
淡泊で繊細なおいしさで、噛めば噛むほど旨味が広がります。どんな料理にも合う美味しい魚です』
毒があるだって!
でもまあ、専門家のターニャさんが捌いたのだから、並んでいたものは大丈夫だろうけれど。
それに毒があっても食べたいという気持ちもわかる。
確かに美味しいから。
■■ 楽屋裏の説明 ■■
今回の料理は、②は塩焼きで、③は照り焼きor蒲焼きです。また⑥はいわゆる南蛮漬けで、⑦は甘露煮、⑧はアクアパッツァもどき、⑨はさつま揚げ(もしくはてんぷら)、⑩は台湾料理の鮮魚湯のようなものです。他はまあ、名称通りということで。
なお斑点膨れ魚は、二枚引きになっている身を、もみじおろし&小ネギ&ポン酢醤油で食べていると思ってください。
コメント
1件
読み終わりました!今回も食事シーン、すごく美味しそうでしたね〜。特に「斑点膨れ魚(トラフグ)」のカルパッチョ、毒があるって知りながらも「噛めば噛むほど旨味が広がる」って表現に、作者さんの魚への愛情が感じられて、思わず私も食べてみたくなりました。ミーニャさんとアライアさんの大盛りっぷりも相変わらずで、猫獣人さんの食欲にほっこり。ただ、男性陣の居場所が気になりますね…!