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でも多分、みんなで一緒に『けんけんぱ』で遊ぶのも正解な気がする。
けど、遊ぶってなったらやっぱりこっちの方法だよね。
私はそう思い、
人差し指を空に向け、
こう叫んだ。
「『けんけんぱ』する人この指とーまれ!」
と。
すると一斉に化け物たちが集まってくる。
その中に狐のお面を被った長髪の女の子が混じっていた。
さっきまでは居なかった子。
顔は狐面で隠れて見えないが、
首元には鳥居のネックレスをしていた。
だから多分この子が最後の賜物を持つ化け物、ミヤビだと思う。
「じゃあ私に着いてきてね!」
そう言った後、
けんけんぱ
けんけんぱ
けんぱ
けんぱ
けんけんぱ
と呟きながら丸いマークをリズム良く踏んでいく。
と、
他の化け物たちも同じ声を上げ、
同じリズムで踏んで着いてくる。
もちろんミヤビも同じくだ。
そうして最後尾にいたミヤビが終わったと同時に私に賜物を渡してきた。
ビンには1つのメモが貼ってあり、『タノシカッタ!マタアソボ!』と書いてあった。
『また』か…
もうこの化け物たちとは会えないのに…
この化け物たちは私とまた会えると思っているのかな…
そう悲しげな思いに浸っているとミヤビが私の服の裾を引っ張った。
『なに?』と振り返るとそこには
『真』と書かれた鳥居が2つ、
『南』と書かれた鳥居が1つあった。
そうしてまた紙のメモを見せてくる。
『ハイルジュンバンハワカルデショ?』と。
ケタケタ笑いながら。
「じゃあ…みんな “ またね ” !」
そう言って私は逆さ向きの『真』の鳥居に足を踏み入れる。
なのに景色は変わらず。
でも、化け物の姿は無かった。
それに、今入った逆さ向きの『真』の鳥居も消えている。
でも、それは分かりきっていること。
予想の範囲内だ。
そんなことを考えながら私は『真』と書かれた鳥居に足を踏み入れ、
景色が変わらないことを確認してから『南』の鳥居をくぐる。
と、景色はやっと変わった。
家に戻ってきたのだった。
現世へと帰ってきたのだ。
空はいつものように青く広々としていて、
赤くない。
それに、どうやらこの夢のような物語のような体験をしたのは私だけのようだ。
そう思った理由はあの化け物たちの図鑑の数ページ後ろに『遥へ』という風に書かれていたから。
どれだけ優しい化け物なんだか…
_____Fin.