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俺が北の海から商船に乗り込んで3日が経った。俺が(勝手に)乗っていた商船はとある港に着いた。
久しぶりの東の海。やっぱ生まれ故郷は落ち着くな~なんて思いながら商船からこそこそと抜け出す。え? 見つかったら? そん時はそん時だ。
「……7年も放置してたけど、俺の船どうなってるだろうか」
す~~~っかり忘れてたな。まあ7年いる予定なんかなかったしなぁ。長くても1年くらいの予定だったし……。
えーっと、俺の船は俺がこの島を出た時に、この港の端の方に停泊させて、定期的に手入れもしてもらうよう頼んでたはずだ。俺は記憶を頼りに船を停めている場所へと向かう。
着いた場所は、端っこにある小さな倉庫の前。そこには見覚えのある男が立っていた。俺の船の番をしてくれている男だ。男は俺の姿を見ると、驚いた様子で駆け寄ってきた。俺は彼に会釈をする。
「すみません、長い間留守にして……1年くらいと言ったのに」
「いいえ、いいえ、いいんです。船の管理は私の趣味のようなものですから」
彼がそう言い、それから俺の手をぎゅっと握って少しだけ震えた声で言った。
「お帰りなさい」
俺も、彼の手を握り返しながら言葉を返した。
「ただいま」
それから俺はしばらくぶりの船に乗っていた。甲板に立って潮風を浴びると、心が洗われるような気持ちになる。やっぱりいいな。この空気感というか、雰囲気が好きだ。
「もう出航で?」
「あぁ! そのつもりだ」
俺はそう答えながら帆を広げ、錨を上げる。ゆっくりと船が動き出し、俺は舵を握った。久々の感覚に胸が高まる。
「さぁて、流石にもうあそこに彼がいるだろう」
行先に迷うことなく、俺はとある場所へと舵を切った。
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