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チェコスロヴァキアの国境に並んでいたハンガリーの騎兵らは、一斉に突撃を開始した。
スロヴァキアは頑強なる巌山がある。
しかし、その巖も気にもせず、馬たちは駆けてゆく。
何度も何度も、スロヴァキアに隠れる歩兵たちは
ドンッドンッと、温い音を奏でる。
カラッカラッ。騎兵は素早く突撃する。
抑えられない程の騎兵群は、歩兵達に斬りかかる。
一人、二人。
どんどん血に飢えた馬たちが食す。
しかし、歩兵も黙っていない。
憎きハンガリーの騎兵共に、勇敢にも立ち上がる歩兵らが何度も現れた。
ドドドドドッ!
前近代的なものを殺す金管楽器。
それは機関銃であった。
馬達は、鋭いスピアにでも刺された気持ちで死んでいった。
ハンガリーの最盛期。
それは遊牧民時代の、神聖ローマ帝国ですら恐怖した軽騎兵。
しかし、今の時代歩には通用しようが、速射には対応できなかった。
…しかし、地上にしか興味がない機関銃は、羽ばたきをしらない。
ハンガリーの新兵器。
複葉機から脱した爆撃機「エズュート」が開発された。
エズュートはスロヴァキアの、特に都市部にて活躍した。
突然現れる銀の矢に、彼らの戦意はギタギタにされていった。
そして、1937年4月24日。
プラチスラヴァが陥落した。
1937年3月10日オーストリア最前線
ドンッ!ドォンッ!
エアハルト「おい、まだ援軍は来ないのか!」
将校A「敵軍に包囲されかけている状況で、無理な援軍は不可と判断したとのことです!」
エアハルト「クソっ!最初こそ勢いよく進めたのに!」
将校B「どうする、流石にこのままの状況を更に一週間は…」
エアハルト「…そうだ、ドイツと協力している戦車開発は!」
将校A「ええと…1型は出来ているのですが…」
エアハルト「試作機でも何でもいい!実弾を撃てるやつはもう戦車で構わん!」
将校A「で、てすが信頼性がかなり低く…」
エアハルト「そんなもん戦場に来たらいつでも壊れる!」
将校B「では、私の方で十何台ほど、用意いたします。」
エアハルト「あぁ、頼んだぞ!」
4日後。
技術者「これが、ティーガー1型なのですが…」
エアハルト「ほう…これはなかなか…いい戦車じゃないか。」
技術者「弾の方は後方の車両に詰め込まれてるので、そちらを確認しといてくださると。」
エアハルト「あぁ、分かった。…で、なぜそんなにも不安な顔を?」
技術者「実はですね…この戦車、可能性程度に収まっているのですが、自爆する可能性が…」
エアハルト「自爆…エンジンの問題か?」
技術者「はい。この中戦車を超えるほどの巨体を我々、想像していませんでしたので…」
エアハルト「…つまり現状ではエンジンが中戦車並み、というわけだな?」
技術者「そういうこととなります。ですので…部下の死が…増えることとなります。」
エアハルト「あぁ、分かった。そうだ、君には色々この戦場で試してほしいことがいくつかある。」
技術者「試してほしいこと…?」
エアハルト「だから、身勝手ですまんがここに数日ほど司令部でいてほしい。駄目かね?」
技術者「了解です。私にできることがあるならば、何度でも。」
エアハルト「ハハハ、そう言ってくれると嬉しいよ。」
「こちら、プラハ第12機甲師団404大隊。オーストリア軍に変化有り。」
「こちら作戦本部。変化を報告せよ。」
「オーストリア軍に機甲部隊を確認。繰り返す、機甲部隊を確認。」
「規模は?」
「現状確認した数、18機。繰り返す、18機。」
「了解、変わらず進軍するように。戦車の対策は訓練通り頼む。」
「了解。」
車長「装塡完了!撃て!」
ドゴァァンッ!
オーストリアに突如現れた機甲部隊。
数は少ないものの、その姿に見合った装甲と火力でプラハの戦車を鉄くずへと変えていった。
歩兵はMG34でサイコロにして、戦車は主砲で鉄のステーキにしてやった。
そして、チェコ軍はどんどんと自分達の奥地へと下がっていった。
時は待つことを知らず…プラハが陥落。
世界は、二重帝国の再生を認めるしかなかった。