テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

海外から帰ってくると、電話の向こうの翔太くんが何だか元気がないように感じた。

日本に帰ってきて2日経つがまだ会えていない。なんだか避けられているような気がする。

先約があるからとか何とか言って会うのを断られた。

流石にブチギレそうだ。

今日は翔太くんはオフだ。連絡をせずに朝イチで家に押しかけた。合鍵で入るのは、なんだか躊躇いが生じ、インターホンを押す。いつもの惚けた翔太くんの声が返ってきた。


翔太💙 『はぁいあっ・・・れん、、、何?』


蓮 🖤 『開けてもらえるかな?』


中に入るといつもの翔太くんだ。

ただ・・・少し痩せた気がする。それにいつもは綺麗に片付いている翔太くんの部屋が散らかっている。


蓮 🖤 『翔太くん何かあった?カーテンも開けずにどうしたの?』


翔太💙 『なんで?ないけど・・・』


蓮 🖤 『俺に会いたくなかった?歓迎されてない気がするけど』


翔太💙 『そんな事あるわけない。ごめんちょっと調子悪くて・・・蓮おかえり』


明らかに変だろ。どうしちゃったんだろ。〝コーヒーでいいよな〟そう言ってキッチンに立った翔太くんを後ろから抱きしめる。シャツの隙間からお腹を撫でると・・・やっぱりちょっと痩せた気がする。それにいつもより体温が高い。


蓮 🖤 『翔太くん熱があるんじゃない?体熱いけど』


翔太💙 『どうかな?でも身体が少し重たい頭も痛いかも』


蓮 🖤 『一回なら大丈夫そう?抱きたいんだけど』


翔太💙 『ごめんちょっと今日はそんな気分じゃ・・』


そのまま抱っこして寝室まで運ぶとベットの上に降ろす。特に抵抗する事なくちょこんとベットに大人しく座っている。何かが足りない?というより居ない。


蓮 🖤 『ジェームズとフォーカスはどこに行ったの?』


あんなに大事にしてたのに居るはずのところに2人がいない。


翔太💙 『あぁ・・・こんなお父さんじゃ可哀想だろ。俺は間違ってばっかりだから。こんな姿見せられない』


何?何の話してんだろ?またなんか1人で悩んじゃってるよ。聞いたってどうせ教えてくれないやつだなこれは。


蓮 🖤 『翔太くん、皆んな大なり小なり間違いは犯すものだよ。大事なのはその後どうするかなんじゃない。きっと2人も許してくれるよ。どこにやっちゃったの?』


翔太💙 『でも俺は酷いことをした。許してもらえそうにない』


蓮 🖤 『翔太くんが愛してるなら許してくれるよ!きっと2人も翔太くんのこと、大好きだから。今まで以上にたくさん愛してあげて』


翔太💙 『蓮も?俺の事嫌いになったりしない?』


蓮 🖤 『嫌いになるわけないでしょ。翔太くんが俺を嫌いになっても俺の気持ちは何があっても変わらない』


少しだけ翔太くんの表情が明るくなった気がした。

ジェームズとフォーカスを呼び戻すと2人をベットに寝かせた。〝暗いとこに入れてごめんね〟と必死で謝っている。いつもの翔太くんだ。


翔太💙 『蓮・・・おかえり、会いたかった』


蓮 🖤 『ただいま翔太、おいで』


満面の笑みで俺の胸に飛び込んできた翔太くんの目に涙にも似た光るものがあったけど、気づかないフリをした。

翔太くんが言いたくない事はきっと、俺が聞きたくない事だ。


蓮 🖤 『翔太、抱いてもいい?』


一瞬返事が遅れた。


翔太💙 『・・・うん』


それも気付かないフリをした。


翔太💙 『蓮・・あの・・・』


蓮 🖤 『翔太くん愛してる。翔太くんは?』


翔太💙 『愛してる』


蓮 🖤 『ジェームズとフォーカスに目隠ししなきゃね』


そう言って布団を掛けると翔太くんが横でクスッと笑った。


蓮 🖤 『何?翔太くん』


翔太💙 『すっかり蓮もお父さんだ』


翔太くんに笑顔が戻って良かった。


翔太💙 『蓮キスして』


翔太くんの頰を撫でる。珍しく肌も荒れている。小鳥のように啄むようなキスを何度も交わす。どんどん深くなっていく口づけに翔太くんは息を荒げた。


翔太💙 『ンッ蓮//…れん…..ぅぅっ』



蓮 🖤 『どうして?どうして泣いてるの?聞かない方がいい?』


翔太💙 『俺・・・浮気しちゃったの』



翔太 side


蓮は俺の頬に当てていた手を下ろすと言葉に詰まった。悲しい目をしている。


蓮 🖤 『どうして何でもかんでも話しちゃうの?翔太くんが楽になりたいからでしょ?』


翔太💙 『えっ?』


蓮が泣いている。泣きながら俺の手を握ると愛おしそうに手にキスをした。


蓮 🖤 『ずるいね翔太は、そうやって喋ってしまえば楽だもんね。俺に審判を下させて、許されようとする。秘密にしておくことの方が辛いもんね?』


翔太💙 『蓮・・・』


蓮 🖤 『で?どうしたいの?別れたいって事?』


翔太💙 『そうじゃなくて・・・俺、頭おかしいね。蓮が嫌がる事しないって言ったのに・・・亮平拒めなくて』


蓮 🖤 『あぁ…聞きたくない。悪い帰る』


翔太💙 『蓮…蓮行かないで!蓮』


蓮は一度も振り返る事なく俺の家を出ていった。

リビングの机にはブルーのキーリングに蓮の大好きな星が散りばめられたラウンドチャーム付きのキーホルダーに下がった合鍵が置かれていた。

君と僕のユートピア

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

690

コメント

14

ユーザー

もう何回おかわりしたかわからないんですけど、体調悪いのに一度抱かせろは優しくないなっていつも思うw🖤

ユーザー

どうなるんだろー😱😱😱

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚