タンッ
ペンを手から落としてしまった。
「珍しいんよ?ナチ?」
「大丈夫〜?」
「ん?ああ……」
「珍しいな?お前が落とすとか」
「そうか?」
さっき手の力が少し抜けた気がする。
手を使い過ぎたからだろうか?最近沢山書類をやり過ぎたから?いや今日はやってない。
そんなにやってない…………気がする………………うん………休んでたし……寝てたし……
「ナチ?なんかいつもよりも顔赤くないんよ?」
「は……?赤い……?何が………?」
「顔」
「顔…………?あー……」
「っ!?おいっ!!」
「ナチ!?」
ナチが目の前で倒れた。
急いで医務室に連れて行ったら先生から「栄養不足と疲労です」だと。
「栄養不足………」
「疲労……」
「ええ。酷い状態です」
「酷い………」
「ナチさんの食事見てた方は?」
「んーナチ最近ゼリーくらいしか食べてなかったんよ」
「それですね。風邪………も少し有るようです」
「風邪……」
そんな事があって看病を俺がする事になった。
日帝達は会議があるらしい。
イタリアは「ソビエト幼馴染だから頑張って何よー!!」って言って走って行った。
そう。俺は押し付けられたに過ぎない。
先生は「今少し手が離せなくて………」と忙しそうだったので辞めておいた。
ベットを使わせて貰おうかと思ったが使われてたので休憩室にしておいた。
んでしばらく待ってたら起きた。
「んんっ………眠い………」
「寝ろ。昨日何時に寝たんだ?」
「んー……6時…………?」
「夜のか?」
「朝ぁ…………」
「朝ぁ!?」
「んー…………朝…………」
「何してたんだよ………?」
「書類……整理………」
「書類整理!?」
「んー」
心配過ぎる。コイツは一応歳は12歳だ。12歳に書類整理を任せる?12の歳の少年に?
頭がイってるんだろうか?コイツの上司とやらは。
「ソビエト………?どーした?」
「………いや………大変だな………と」
「んー………寝てれば………治る」
「治る?何が?」
「眠いの………たまに熱も出るが………三十分寝れば…………」
どうやらもう大変末期な様だ。
三十分寝れば治る?それは寝不足で体に負担が掛かってる奴が言うセリフだ。
「寝ろよ」
「寝れん…………」
「寝ろ」
「寝れん」
「末期だな」
「何が………」
「寝不足」
「んー……」
「そうだ。お前最近飯あんまり食ってないだろ?最近何食ったか言ってみろ」
「…………ゼリー………とクッキー………」
「そんだけか?」
「ああ。腹減ってなかったからな」
「ちゃんと食え」
「んーーー」
「ちゃんと食って寝ろ。いいな?」
「………?昔みたく一緒に寝てくれないのか?」
「……は?」
「昔よく一緒に寝てただろー」
ダメだ。コイツ。寝ぼけてる。
昔寝てた事………いや今もたまに昼寝してる時もあるが。
「別に良いが。ちゃんとこれから寝て食うか?」
「ああ。食う多分」
「多分………」
「寒いんだ。早く来い暖房」
「うん。名前が国から暖房器具になったな?」
「寒い………」
「はいはい……」
コイツは基本こうやって甘えてくる事はまず無い。
とても珍しい事だ。全く………風邪や限界の時にしか甘えないのは辞めてほしいんだが。