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第2話です♩
「……プロフィール設定…どうしましょ。」
結局登録してしまった。
名前は…自分の名前の頭文字をとり、適当に『ニ』などにしておこう。
「正直、他の方たちはLGBTQなどと言っていますが、そういう行為自体ノーマル派なんですよね…ぽるのはぶとか……みるとき…おとこのかたとおんなのかただし……」
そう言い聞かせながらも、そっち側に少し気のある自分に腹が立つ。
あぁ、これでマッチングするのかな。
臀部が映るかどうかのラインから、首にかけてまでの自撮りを載せた自身のプロフィールを虚ろに見ながら考える。
我ながらこんなやつとマッチングすると考えれば、少し気が引ける。
全て事が済んだらどっと疲れた_少し仮眠をとるとしよう。
\ピロン/
そんな電子音と共に目が覚めた。いつもの上司からの〈LINE♩〉という嫌な通知音では無い、別の何か。
〈『+1』さんがフォローリクエストを送りました。〉
あ、どうしよう。
そんな本気じゃないのにマッチングしちゃった、お相手さんは本気だろうし…でも、僕そもそも恋愛とか見たことないし、恋愛系のドラマとかも見た事ない…
とりあえず放置っ……
……体が好奇心に負けてしまった。
(「フォローリクエストありがとうございます👍」)
均一のフォントで記された、なんの温かみもない文字がある。
相手からの既読はまだ付いていない、取り消すなら今のうちだが……
((入力中…))
あっ、悩んでる間にッ……
(『こちらこそ、フォローリクエスト承認ありがとうございます!!』)
画面越しからの元気な文字。眩しい。
(「いえいえ、これからよろしくお願いします!!🤝💘」)
相手のテンションに合わせ、当たり障りのない字を返す。仕事の基本だ。
これで話が終わる。適当な報告書でもかいて有耶無耶にしよう。
(『はい!!ニさんは趣味とかありますか?🤔💭』)
(「散歩とか好きです。最近は仕事で忙しくてほぼできてませんが…笑」)
(『そうなんですねー…お仕事おつかれさまです!🍵てかためでいいですかね!?!』)
相手の勢いの良さについ「ふっ、」という言葉がこぼれる。ここまで元気な人は周りにはいない。
少し可愛さを感じるが、相手は男。所詮はおとこ。距離感を見誤らないようにする。
(「そちらの敬語は大丈夫です🙆♀️ )
(ですが僕の方は敬語以外で喋るのが苦手で…こちらは敬語でよろしいでしょうか?」)
(『なるほど!全然大丈夫!!ჱ̒ ᖛ ̫ ᖛ )⟡』)
毎回絵文字や顔文字を使ってくるなぁ『1+』さん…ちょっとペース崩されるなぁ笑
そう思いつつ、相手と文章を送りあった。
「やばっ、もう3時!?」
気づいたら時が過ぎていた、お互い同性と言うこともあり、会話が弾みやすい。
(「すみません、あしたも仕事あるのでおわりますね🙏今日はありがとうございました!」)
(『おっけー!!また明日も話そうな!!!🤟😎 』)
ふう…少しの間しか睡眠をとっていなくて少し体がきつい。
少し伸びでもしようか、
ぐッ~、と体を伸ばす。
『にほん!!!!!!』
「わぁっ!?」
がくっ、と少し椅子からずり落ちる。あぶない。
「っわ…びっ、くりしたぁ……アメリカさんですか。」
ピッ
『そうだ!!アメリカだ!!!!今日も頑張っててえらいな!!』
機械音が聞こえたような…気のせいか、?
『なんの資料を作ってるんだ?俺も手伝おうか?』
「はい、利益をまとめていて…皮肉なことにギリギリ黒字なんですよね、この会社…笑」
人件費をこんなにもケチらないと黒字を出せない企業。
『……それはいやだなぁ、』
そう言いながら苦笑するアメリカさん。
『何かあったらいつでも俺に相談してな!』
「…はい、ありがとうございます。」