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「チュン、チュンチュチュン♪」鳥の鳴き声が聞こえる。どうやら朝になったらしい。だら~んと起き上がった俺はカーテンを開けた。太陽の光が部屋に差し込む。
「うっ…太陽の光が眩しい……む…?」
そこで俺の鼻が反応した!
「クンクン…まてめちゃめちゃ良い匂いがするぞ。誰が作っているんだ?まぁ大体予想はできるがな…」
そうしてお腹が空いていた俺は急いで階段を降りて、リビングに向かった。するとそこには寝ている叶璃と莉愛が居た。
「あ!おはよう。裕翔!」
「おう!おはよう。莉愛。」
現在の時刻は6:00。莉愛は早いなぁ。
「それにしてもさすが莉愛、料理上手いな。」
そう。料理をしていたのは莉愛だ。交代制だけど、みんなで協力して朝食の準備をしている。
「えへへ〜そうでしょ?もっと褒めても良いんだよ?」
「ベタ褒めするとお前キモくなるから嫌だな。」
俺は早朝の嫌味混じりのニコニコ顔でいう。
「え、ひどくなーい?私のがんばりを讃えよ〜!」
「おい、その言葉使いは誰かに似てるな…」
「そう!譜凛夏に影響されちゃってね。譜凛夏は影響力が昔から強いからね〜。」
やっぱり譜凛夏の独特な言葉使いが感染してるのか…矯正して直さないとな。まじで譜凛夏はモンスターだからな。色んな意味で。
「てか、叶璃?起きてるか?」
「叶くんなら、5:30ぐらいまで起きてたけど
その後そこのソファーで寝ちゃったよ」
「そうなのか。」
昨日話した時刻は23:00。そして俺達が話し終わった時間は大体23:40。それからずっと起きていたのか…。まぁ眠いのも納得だな。
「まぁ、とりあえず裕翔は叶くんの隣で座ってなよ!美味しい料理をご馳走してあげる!」
「ありがとな。じゃあ遠慮なく座ってるぞ。」
そして俺はソファーに近寄り、叶璃の隣に座ってた。……座って待っていたが、暇で段々と俺も眠くなってきてしまった。
「はぁ…まだ眠いな。俺も寝て良いかな。」
少しなら大丈夫だと思い、俺は横になって寝ようとした。だが、叶璃が急に頭を俺の膝に乗せてきた。思わず俺は大きな声を出してしまった。
「うわぁ!?!?」
「ちょっ。どうしたのって…え…♡」
「ちょっと莉愛助けてk…」
「BL展開!!きたよ!!!待望の展開!萌えるわ〜!!」
俺の声をかき消すぐらいの声で莉愛が叫んだ。
「お前いい加減その脳治せ!!清楚なキャラはどこに行ったんだ!せ、い、そ!!!」
「二日目で叶くんが裕翔を襲う?!?!いや〜!どっちでもいいけどこっちか〜。王道だよね!!それにしても…」
「もう…!!どけ!叶璃!」
俺は急いで莉愛を鎮めようとして怒鳴り声を発した。すると叶璃がすこし目をあけた。
「叶璃!起きたならどけ!いますぐ!お願いだ〜か〜らッ!!!!!」
「…あ…?………俺に命令を出すな。下民。」
キレながら叶璃は言った。その声には威圧感があってマジ怖い声だった。
「ご、ごめんなさい。…」
「っち…。俺が寝てる間は膝使わせろ。枕がなくて寝づらかったんだ…………zzz」
「え…あ…ご無礼な態度すみませんでした。どうぞお好きにお使いくださいませ。」
「…ふふw」
「はぁ……莉愛料理しとけ。見られたくねぇ。」
「はいはいw」
そんなこんで7:00になると雨下が降りてきた。
「おはよう。雨下。」
「おはようございます…って!叶璃さん?!何をしているのですか!?」
「1時間前ぐらい前からずっとこうなんだ…。枕がほしいって言ってきて…仕方なく膝を貸してやってるんだ。」
「あわわ…叶璃さんが裕翔さんに甘えてるうう…」
「もう俺は慣れてきたわ…。そいえば莉愛。料理はできたか?」
「うん!そろそろ完成するよ! 全くッ。6人分は疲れるよ。」
「はは。ありがとうな莉愛。今度なんか手伝うからな。」
「うん!ありがと。」
莉愛は笑顔が似合うな。まじ可愛い。これが幼馴染でいいのか?
「さーて。雨くん。りーくんと譜凛夏を呼んできてくれない?お寝坊さんたちだから。」
「わ、わかりました…!」
そして雨下は扉を出て、2階の2人の部屋に行った。
「叶璃。もう朝だぞ。起きろ。」
「…ふわぁ。朝なのか?」
叶璃は急に立った。メリハリがすごいな。こいつ。
「着替えてくる。」
その一言だけいい、叶璃は制服に着替えに2階に向かっていった。
「裕翔。作った料理を食卓に運んでくれない?」
「わかった!」
そう莉愛に返事をして、できたてほやほやな料理を運んだ。
運んでいると譜凛夏と李灯が下に降りてきた。
「おっはよー!みんな!お、莉愛ちゃんの美味しそうな食事があるじゃないか!たのしみ〜!」
朝から元気な譜凛夏だが…服はぐちゃぐちゃで髪はぼさぼさだった。しっかりしてないのは変わらないな〜。
「おぉ、すげえ!これ全部莉愛が作ったのか??すげええええ!!!!!!」
李灯も朝から元気な声を響かせていた。李灯も…髪が寝癖でぐちゃぐちゃだった。寝坊助ツインズはやべぇな。
「あわわ…おいしそうです。そいえば叶璃さんは?」
雨下も莉愛の料理を見て、目をキラキラさせていた。
「叶璃か?あいつなら、着替えてきてそろそろくると思うけど…」
そうすると階段のほうから降りる音がした。そしてガチャと扉をあけて、叶璃がリビングに入ってきた。
「おはようございます。皆さん。今日も良い1日にしましょうね。」
「あ…?さっきの叶璃じゃねえよ。あいつ。」
俺はすっかりいい人モードになった叶璃にびっくりしたが、流石に慣れてきた。
「裕翔。さっきの行動はごめんなさい。俺としたことが…とても反省しています。お許しを。」
「まぁ、大丈夫だ。叶璃。俺はとても優しいからな!」
「…何か言いましたか?裕翔。」
「い、いいや?なにも。」
冗談を言ったりもしてみたが、叶璃が怖かったからなかったことにしてしまった。そこで莉愛が手を叩いて話し始める。
「さて食事にしましょ!みんな!」
莉愛の呼びかけで、みんな席について食事をし始めた。
「いただきます。」「いただきま〜す!」「…いただきます…。」
みんなでの朝食。窓から差し込む春の日差しが心地よいと感じる。
俺はもぐもぐと静かに食べていると、
「あ、裕翔。ご飯粒ついてるぞ。」
と、隣に座っていた叶璃が言ってきた。
「あぁ‥。ごめんごめん。昔からマナーが悪くてな。気をつけるよ。」
「そうなのか。今度教えてくやるよ。」
と、いつの間にか叶璃がマナーを教えてくれることになった。能力のこともあるのに…!
そんな平和な会話をしている間にもみんな食事が終わり、それぞれ学校に向かう準備をしていた。俺は一旦部屋に戻って、身だしなみを確認して荷物を持った。
「さて、そろそろ向かうか!」
俺が部屋を出ると近くにいた莉愛が話しかけてきた。
「裕翔。一緒に行こうよ!同じクラスだしね」
「ああ。もちろんいいぞ。」
「それで、叶くんも一緒に行こう!って言おうと思ったけんだけど…」
「思ったんだけどなんだ?」
「叶くんは、雨くんとりーくんと行ってて、譜凛夏は近くの友達と一緒に行っちゃってもういないから2人で行こうと思って!」
「ああ。なるほどな。いいぜ!2人で行くか。」
そして俺は莉愛と一緒に学校まで向かっていた。