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「またエラーが出てるよ!何度やったらできるようになるんだ!」
毎日毎日ミスばかりして怒られて、人生はつらかった。
電車には来都くんのライブから帰るファンが乗っていて、本気でキツくなった。
なんのために生きて、なんのために働いているのか。
唐突にわからなくなった。
引っ越してきたばかりの頃、とんでもない偶然で来都くんに会った。それからなぜかとてもついてない。
きっと運を使い果たしてしまったんだ・・・と、占いを見ながらいつも通りに電車を降りた。
すると後ろから、肩を叩かれた。
「ねえキミ、あの公園の・・・」
後ろを見ると来都くんがいた。
「あ、僕あの公園行くからさ、よかったらお話ししようよ!」
偶然同じ電車に乗って帰ってきたのか、帰る方向も同じだったから一緒に帰り道を歩くことになった。
これ、誰かに見られたらまずい・・・
でも、来都くんはある意味スター染みていない。
気にせず横を一緒に歩いてくれたけど、なにも喋れなかった。
公園に着くと、ベンチ越しに座った。
「今日はお仕事だったの?スーツだけど(笑)」
来都くんはぐいぐい話してくれた。
仕事で波に乗れないことも、ITの仕事が難しいことも全部聞いてくれた。
「でもそれって、キミにしかできないことだよね?すごいよ!僕絶対できないもん!!」
すごいよ・・・推しが横でめちゃくちゃ褒めてくれてる。テレビ越しに頑張ってとしか言われなかった私が、目の前で。
なんかおかしい。絶対こんなことありえない。
また私、夢でも見てるのかな。
お互いの沈黙が続き、彼はまた話し始めた。