テラーノベル
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「これっくらいのっ!お弁当箱にッ!!」
「コマ兄…それ…通販の大きな段ボール…」
美子が不安そうに言った。
「おにぎりッ!おにぎりッ!」
女神様が苦笑いしながら言う。
「赤ちゃんの頭くらいの大きさね…」
「ちょっとつめてッ!!」
「ドンっとつめたぞ…」
弟が頭をかきながら言った。
「今日の夏祭り用だろうが、誰もそんな大きなおにぎり食えないと思うぞ」
「…そうかなぁ…」
ぼくはおにぎりを取り出し、しゃもじで分解し始めた。
「おにぎり作るの楽しいね」
美子は子ども用の小さめのおにぎりを作る。
「そうね、楽しいね」
女神様が大人用の大きめのおにぎりを作る。
ぼくは卵焼きを作る。
「これは大きなヤツを作れないな」
弟はおかしそうに言う。
ぼくが焼いた卵焼きを(本人曰く)常識的なサイズに切る。
お皿には淡い緑色のレタスがあり、その上に鮮やかな黄色の卵焼きを置く。
切ったトマトを近くにのせる。
色とりどりですごく綺麗だ。
そこへタカシくんが来る。
「こんにちはー、飲み物買って来ましたー」
「ちょっと下ろすの手伝って来る」
ぼくはタカシくんの車に一緒に向かう。
「今日の夏祭り用に飾りを作ってみたんだけど」
「すごいね、コマ兄」
美子は大喜びだ。
「七夕飾りみたいね」
準備の手伝いに来ていた市松さんが言った。
「もっと作ろうか」
ぼくはそう言って途方に暮れた。
「何色を使えばいい…?」
女神様が笑って言った。
「普段使わないんだから金銀使えばいいんじゃない?」
ぼくはすごく納得した。
「今日は超狼は?」
美子が市松さんに聞いていた。
「今日は親戚が超狼の家に集まるからみんなに幸せを授けるんですって」
何せみんなのご先祖様だから、と説明していた。
もうすぐ、今年の夏祭りが始まる。
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