夏が嫌いだ。
ムシムシとした夏の暑さのなか
ベランダで空を見上げる。
たくさんの星々が輝いている。
1つ1つの星々が主張しあっている。
互いを尊重しあっている
そんな星々がすきだ。
自分の何もかもを包み込んで
くれる気がする。
暗く心地良い夏の夜の雰囲気。
目を閉じればどこか不思議な場所に行けるかもしれない。
そしてなぞの安心感。
ポケットの中にあるスマホを取り出し電話をかける。
プルルルルルル。プルルルルルル。
夜の静寂にせみの声が響く。
誰かに届けるかのように。
「もしもし。どうした?おんりー」
俺の大好きな人。
『んーん。ちょっと寂しかっただけ。』
ちょっとなんてホントは嘘。
すごく寂しかった。
あまえてもいいよね?
『迷惑だった??ごめんね。』
「大丈夫よ。どうした??
今日はずいぶんあまえたさんじゃないの?」
声を聞きたくて。
安心したくて。
『ねぇねぇ空見える?』
「おん、みえるよー」
他愛も無い会話。
『ロマンチックじゃない?』
「そやねー。」
『おらふくん。
今夜は月が綺麗ですね。』
この言葉が届かなくてもいい。
この雰囲気だったから。
自分の頬に熱が集まるのがわかる。
「私にとって月はずっと綺麗でしたよ。」
嫌いな夏がちょっぴり
好きになったかもしれない。
コメント
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わあっ!?神すぎますっ!チ───(´-ω-`)───ン←え、何回目