テラーノベル
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ガガッ…ガ…ザーーーーーーッ
ピーッピーッピーッ…
【……録音データを再生します】
記録時間:2006年 9月23日
えぇと、■■■■くん…だったよね?
「はい」
嗚呼、有り難う。えぇと、此の会話は他の人達にも聞かせたいから、録音するけど…良いかな?
「はい」
有り難う。あ、自己紹介していなかったね。
えぇと、私は此処の所長をしているアナベラルというものだ。まァ、ベルとでも呼んでくれ
「判りました」
じゃあ、カウンセリングを始めようか
「宜しくお願いします」
まず、名前と年齢と…家族構成を聞いても良いかな?
「名前は■■■■・■■■■です。10歳で、父と弟と妹の4人家族です」
弟くんと妹ちゃんの名前は?
「■■■と■■■です」
有り難う。2人はさっきカウンセリングをしたけれど、どうやら君のことを余り良く思っていないらしくてね。何故か判るかい?
「僕が父を殺したからです」
…どうし
「嫌いだったからです」
………何で嫌いだったんだい?
「父は僕達を虐待していました」
虐待…其れは弟くんと妹ちゃんもかい?
「はい」
なのに2人は君が父親を殺した事に怒っているのかい?
「はい」
どうして?
「2人は洗脳されていました」
洗脳?
「父は洗脳系の能力者でした」
へぇ…2人は其の能力で洗脳されていたと
「父は人並みの罪悪感はあったらしく、其の罪悪感を無くす為に、僕が2人を殴っているように見えるようにしたらしいです」
君は洗脳されなかったの?
「僕は能力が効かない体質らしいです」
其の体質に心当たりは?
「母の血統が能力を阻害する力を持つ一族の末裔だったらしいです」
成程ねぇ。能力が体質となって表れた、と。
「そうだと思います」
次の質問をしよう。
生まれ変わった身体はどうだい?
「ツギハギだらけで動きづらいです」
まァだろうね…人工の人型キメラだし…
「弟と妹はどうなりましたか」
幸い爆発から遠くの方にいたから君よりかは酷くなかったけど、其れでも重症だ。君のように人工の人型キメラにならないといけないかもしれない
「そうですか」
其れでもいいかい?
「2人が其れで生きれるなら」
良いお兄ちゃんだね
「有り難う御座います」
其れで、君はどうするの?
「どうするとはなんですか」
弟くんと妹ちゃんは君の顔も見たくないと外に出ようとしているんだ。
君は外に出る?出ない?
「……大人になる迄は、此処に居たいです」
そうかい。幸い此処には君と年の近い子が何人も居るから、寂しい思いをする事は無いだろう。
親が必要なら、養子縁組を組んで僕が君の親になろう。
「養子縁組って、何ですか」
手続きをして、自分と血が繋がっていない子供と家族になる事だ。やるかい?
「ベルさんと、ですか」
うん、そうだよ
「なら、お願いします」
判った。後で手続きしておこう。
此れでカウンセリングは終わりだけど、何か質問とかはある?
「大丈夫です。」
判った。じゃあ一度部屋に戻ってくれるかな?部屋の場所、覚えた?
「覚えました」
じゃあ1人で戻れるかな?
「大丈夫です」
じゃあ部屋に戻ったら、其の儘部屋で待っててくれないかな?
他の仕事が終わったら迎えに行くよ
「判りました」
うん、■■■■くんは良い子だね。
「……そんな事、ありません」
【記録終了】
父の部屋を片付けに来たら金庫の中からこんなものが出てきた。
父と養子縁組を組むという謎の子供。
名前は聞き取れなかったが、父がくん付けで呼んでいる点と、声からして少年だろう。
恐らく、自分の血の繋がらない兄。
だが見たことが無い。ずっと研究室に縛られていたのだから当然ではあるが、少年が施設にいるところを見たことが無い。
『……何をしていたんだ、親父』
ボイスレコーダーを回収し、俺は部屋から逃げるように去った。
主人公…涼里 粹都
カウンセリングを受けていた少年…■■■■
カウンセラー兼主人公と少年の父…アナベラル
コメント
20件
誤字&計算ミスッッッ 1996年→2006年
うわ、重い…でもすごく引き込まれたよ。このカウンセリング記録っていう形式がもう雰囲気出まくってて、10歳の少年があんなに冷静に「父を♡♡♡た」「嫌いだったから」って言うのが胸に刺さった。虐待と洗脳、それでも弟妹を守ろうとする姿に切なくなった。そしてまさかのアナベラルが主人公の父親で、この録音を今になって発見する展開がゾクッとする…続きが気になりすぎるよ🥀
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