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俺の言葉を聞いた少女は不思議そうにして言った。
「え? 元の世界に帰りたくないの?……あっ、ごめんなさい。変なこと聞いて……」
「気にしなくて大丈夫だよ。それよりも君はここで何をしてるんだ?」
「私はね、この洞窟の中でずっと暮らしてるの! だから、ここに来る旅人さんとお話するのが好きなんだよ!」
「そうなのか。でも、こんな暗い所で寂しくならないか?」
「うん。少しだけ。でもね、ここには私の友達がいるの。その子達がいつも一緒に居てくれるから寂しさも紛れるよ」
「へぇ、どんな子達なんだ? その友達って」
「えっとねぇ、まずはこの子とこの子。この子は私が生まれる前から一緒でとても優しい性格の子。それで、この子が私のお世話をしてるの。あとは、この子のお姉ちゃんみたいな子もいるんだ。それから、この子は──」
私は楽しそうに指折り数えながら友達の名前を挙げていく。すると、彼は不思議そうな顔をして私の話を聞いてくれていた。
どうしてこんな話をしたのかは分からないけれど、何だか彼に聞いてほしかったのだ。だから、私は嬉々として友達の話をした。
しかし、私がその先を言う前に彼が言った。
「じゃあ、俺は?」
私は一瞬言葉に詰まる。彼の顔を見ると少し寂しそうだ。きっと、彼にとって私は友達じゃないということなんだろう。
「ごめんね、君は私の友達なんかじゃないよね」
私は笑顔でそう答えた。すると彼は驚いた顔をして私を見る。そして、こう続けた。
「違う! 俺もお前と同じだ!」
同じ? どういう意味? 私は首を傾げるが、彼も首を傾げている。
「分からないのか? 俺は、ランプの魔神だ。お前が望んだからここに現れた。ずっと一緒に居たいって言ったじゃないか。だから俺は、お前の前に現れて、お前と契約したんだ。なのに、どうしてそんなことを言うんだよ?」
彼が何を言っているのか理解できない。
私が望んで契約したのは、別の人物であって彼じゃない。
そう言おうとして、私の口から言葉が出なかった。
私の意志に反して、私の唇が勝手に動き出す。
『ずっと一緒だよ』
違う! 私はこんなこと言いたくない!!
『大好き』
私は、あなたのことが好きなんかじゃ──
『愛してる』
──愛してなんていないんだから!!! ***
「んーーーーーーっ!!」
私はベッドの上で飛び起きた。全身汗びっしょりだ