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「ち・・・ちょっと柚彦君悪いわ!」



彼女が困惑していた



「べつにちっとも構わないよ、僕も君のご家族が応援してくれる方がはりきれるさ」



拓哉が上機嫌でビールを掲げた



「すばらしい!未来の義弟に乾杯!!」



「ええ?ちょっと!兄さんったら!」



「かんぱーい 」


「カンパーイ 」


「カンパーイ!」


「あーーーい 」






柚彦も弘美も奈々も一緒にグラスを掲げた、みんなが一斉に笑った



楽し気にからかい合うみんなの声、さらなる招待の言葉、そして笑い声が飛び交う中、楽しい夕食は過ぎて行った




愛があるからこそ、お互いに感心を寄せながら、相手の自由もある程度許している




そして店を出て全員が、それぞれの車の中に落ち着くと、最後にもう一度手を振り別れて行った




「突然でごめんなさいね、兄は手に負えないけど、悪気はないのよ、あなたが引いてなきゃいいけど 」




「君の家族好きだな」




彼が言った鈴子が運転しながら笑う




「あら!私の家族ほどじゃないでしょう?あの人達あなたの大ファンなんですもの 」




「僕も彼のファンだよ!彼が主演の映画見に行ったことあるよ」





「実は今日はたぶん兄はお礼を言いたかったのだと思うの・・・あの時・・・俊哉から助けてもらったって私・・・初めて家族に言ったから、もちろんあなたが気にいってくれたら、これからも兄とは会ってくれたら嬉しいと思うけど、第一にあなたの気持ちが大事でしょう?だから無理はしないでほしいっていうか・・・ 」





柚彦はそっと彼女の頬にキスをした




「素敵なご家族だ・・・僕の方こそ今後もお付き合いしたいよ、今度は僕の兄達にもあってほしいし 」




信号待ちで二人は見つめ合った




「でも今は何より君と仲良くしたい・・・」




そっとキスをし、舌を夢中で絡めていると、後ろの車にクラクションを鳴らされた




彼女は慌ててアクセルを踏み



柚彦はその横で爆笑していた





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